国際教育と専門性を兼ね備えた人材育成に力を注ぐ青森中央学院大学。
青森市内にあるキャンパスには、アジアを中心とした多くの留学生が在籍しており、日常の学生生活の中で自然と国際交流が生まれています。
さらに、世界へ挑戦するための多彩な留学制度も整っており、東南アジアでの海外インターンシップなど、教室の外でしか得られない学びを進路選択や就職活動へ生かす学生も多いのが特徴です。
今回は、青森中央学院大学の留学制度について、同大学の講師である榮田育子(さかえだ いくこ)先生と、国際交流課の野呂遥香さんにお話をうかがいました。
青森中央学院大学に入学するとどんな海外体験が待っているのか、キャンパス内の国際的な雰囲気とあわせてご紹介します。
目次
青森中央学院大学の「日本と世界をつなぐ学び」とは

── 青森中央学院大学では、国際教育をどのように進めているのでしょうか?
本学は青森市内にキャンパスを構える私立大学ですが、地方にある大学としては、国際交流に非常に力を入れて取り組んでいます。
まず、アジアからの留学生がとても多く、大学の規模からすると想像以上の人数が在籍しています。後ほど詳しくご紹介するかと思いますが、日本人学生が日常的に留学生と交流できる環境が自然に整っているのは、本学の大きな特徴です。
さらに、「海外で学びたい」と希望する学生に対しては、アメリカ、オーストラリア、アジア各国など、世界の多方面の国と地域に協定校があります。
加えて、海外で挑戦したいという意欲の高い学生を後押しする支援プログラムもあり、その履修者であれば海外インターンシップを経験できる機会も用意されています。
このように、青森中央学院大学では、海外に挑戦したい学生が安心して学べるよう、グローバルな学内環境や充実した留学制度の整備に努め、国際教育の推進に力を注いできました。
青森中央学院大学の特色ある3つの留学プログラム

── それでは、具体的な「留学プログラム」の種類や特徴を教えてください。
青森中央学院大学では、『短期・中期留学』『長期留学(交換留学)』『海外インターンシップ』の3つのプログラムを準備しています。
まず『短期・中期留学』については、主に夏休みや春休みの期間に行われます。アジア圏をはじめ、オーストラリアやアメリカへのプログラムがあり、期間は2週間程度のものから数カ月のものまで様々です。
そして、『長期留学(交換留学)』は半年から1年間の期間で実施されます。
このプログラムでは、中国や台湾、韓国、タイ、ベトナムなど、本学と協定を結んでいる大学へ派遣されます。現地では、その大学の学生たちと一緒に学ぶことができます。
── 海外インターンシップについては、どのような内容ですか?
タイの協定高校にて日本語教育アシスタントとして活動します。
主な内容は、現地の生徒への日本語授業の補助や、書道といった日本文化の体験をサポートすることです。このプログラムを通じて、語学力の向上だけでなく、異文化への理解やコミュニケーション力も高められます。
実際に参加した学生からは、「貴重な海外経験になった」「就職活動で話せるエピソードができた」などの感想が多く寄せられています。本学の留学プログラムの中でも、特に特色のある取り組みです。
また、1年次に選抜された学生を対象とした「グローバル人材養成プログラム」では、2ヶ月から半年程度の海外インターンシップに参加することが可能です。

経営法学部と看護学部、それぞれに合った留学の形を選べる

── 留学プログラムには、年間どれくらいの学生が参加していますか?
青森中央学院大学では、経営と法学を総合的に学べる「経営法学部」と、地域に根ざした実践力のある看護師や保健師を育てる「看護学部」の2つの学部を設置しています。
両学部を合わせて学生は1,000名ほどいますが、1年間に留学へ参加する学生は二桁に届かない年もあり、それほど多くはありません。
なお、留学に参加するための選考基準は、派遣先の大学によってさまざまです。たとえば、学業成績やTOEICなど英語力の基準がある場合もあります。
── 学部ごとに、留学プログラムへの参加傾向に違いはありますか?
長期留学(交換留学)については、比較的「経営法学部」の学生が多く参加しています。
一方で、看護学部の学生には、夏休みなどの長期休暇を利用して、2週間ほどの短期留学プログラムが人気の傾向があります。
いずれにしても、本学では短期・中期・長期のプログラムに加え、海外インターンシップも用意しており、それぞれの学部の学生が自分の目的や希望する期間に合わせて留学を実現しています。
留学制度の魅力は一貫したサポート(語学準備講座・奨学金制度)
── あらためて、青森中央学院大学の「留学制度」の魅力は、どのような点でしょうか?
長期・短期を問わず、留学を「ただ行って帰ってくるだけ」で終わらせないことを重視しています。
そこで、出発前の準備から帰国後の振り返りまで、一連のプロセスをしっかりとサポートし、留学で得た学びが確かな経験として身につくよう努めています。
たとえば、出発前に現地の文化や生活習慣、語学の基礎、さらには危機管理について学ぶ機会を設け、学生が安心して留学に臨める環境を整えています。
また、帰国後には、自分の経験を周囲と共有する場を用意し、留学で得た気づきや学びを言葉にして伝えられるような仕組みも設けています。
── 留学前の「語学準備講座」が役に立ったという声も多いそうですが。
はい。本学では、留学に行く学生を対象に無料の語学準備講座を設けています。この講座は必ず受講してもらうことになっており、正規の授業ではないものの、学内にある語学学校のような雰囲気です。
開講状況は留学先によって異なりますが、英語・韓国語・中国語だけでなく、タイ語やベトナム語の講座も用意しています。
また、講座の講師は本学の留学生が担当しており、言語だけでなく、その国の文化や生活上の注意点など、現地で役立つリアルな情報も事前にレクチャーしています。
これにより、学生は出発前に「生きた知識」を得ることができ、非常に有意義な機会になっています。

── 心強いサポートですね。他にも、留学のための奨学金など、費用面での支援制度はありますか?
青森中央学院大学では、留学を希望する学生のために給付奨学金制度を用意しています。
奨学金の金額は、現地での滞在期間によって異なり、最も短い場合は2週間から4週間未満の留学で5万円が支給されます。さらに、4週間以上3カ月未満の場合は7万円、3カ月以上1年未満の場合には10万円が受け取れます。
その他本学規程の受給対象資格を満たしていれば、基本的に留学に行く学生全員が本学の奨学金を受け取ることができています。

帰国後の振り返りで、留学経験を就職活動の強みに変える
── 一方で、留学後にはどのようなサポートがありますか?
帰国した後には、学生が自分の経験を周囲と共有できるような場を設けています。
そこで得た気づきや学びを言葉にして他の人に伝える機会を用意し、経験をしっかりと振り返ることができるようにしています。
このような取り組みを通じて、留学という経験そのものだけでなく、その体験を他人にわかりやすく伝える「アウトプットする力」も身につけてもらえるよう心がけています。
── 留学や海外インターンの経験は、学生さんのその後の活動にどのように役立っていますか?
特に3年生の夏に留学に行くと、そのまま就職活動の時期に入るため、「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」として、とても強いアピールポイントになります。
また、単に「留学しました」というだけでなく、現地でインターンシップまで経験した学生はまだ数が少ないので、その経験は就職活動でも大きなアドバンテージとなっているようです。
その後の進路はさまざまで、公務員になる人や、英語力が求められる企業に就職する人、大学院に進学する人もいます。語学力そのもの以上に、「海外で新しいことに挑戦した経験」が就職活動で高く評価されています。
こうした帰国後の活動も踏まえ、大学としてもサポートに取り組んでいます。
留学生と一緒に学ぶ、青森中央学院大学のキャンパスライフ

── 続いて、留学生の受け入れ体制について教えていただけますか?
本学は学部生の数が1,000人に満たない小規模な大学ですが、そのうち約10分の1が留学生です。
出身国はアジア圏が中心で、最も多いのがベトナム、次いで中国、マレーシア、タイ、台湾、韓国、インドネシアなど多様な国からの学生が集まっています。
留学生は基本的にキャンパス内の寮で生活しているため、普段から学内で日本人学生と留学生とが顔を合わせる機会が多い環境です。
皆さん日本のことをよく理解し、「日本で学びたい」という強い思いを持ち、熱心に勉強しています。
── 青森という地域を希望して入学する留学生も多いと聞きます。
実は、意外に多いですね。私自身も留学生の入試面接を担当していますが、そのとき「冬の寒さは大丈夫ですか?」と質問すると、どの学生も「雪のある生活にずっと憧れていました」と答えてくれます。
特に、日本で初めて雪を体験する1年目の留学生は、とてもワクワクした様子を見せています。
先日、青森で今季初めて雪が降ったときも、この秋に入学した留学生たちは本当にうれしそうでした。ただ、3年目ともなると「もう雪は十分です」と言う学生もいて、そんな反応も微笑ましいです。
── 日本人学生と留学生が、キャンパスで一緒に過ごす場面も多いと伺いました。実際にはどのような交流がありますか?
本学には留学生だけで構成されるサークルもあり、年に数回イベントを企画しているため、キャンパスは活気にあふれています。
また、留学生をサポートする日本人学生による「バディ制度」も特徴です。
バディ制度では、日本語学習のサポートや生活面の支援を、日本人学生が一人ひとりの留学生に対して行います。こうした制度のおかげで、留学しなくても希望すればキャンパス内で自由に外国人学生と交流できます。
小規模大学ならではの温かい雰囲気と、多様な国籍の学生が集まる国際的な環境は、青森中央学院大学の大きな魅力の一つです。
青森中央学院大学の留学制度に関する今後の取り組みと最新情報について

── 今後、留学制度について特に力を入れたい取り組みはありますか?
現状では短期留学に参加する学生が多いのですが、今後は1セメスター(半年間)現地で学び、きちんと単位を取得して交換できるような長期留学に挑戦する学生が増えてほしいと考えています。
やはり、滞在期間が長くなるほど得られる経験や学びは確実に大きくなると思います。ですので、長期留学をしやすい体制づくりに力を入れていきたいですね。
特に欧米圏では学年の始まりが9月で、日本の4月スタートとスケジュールが合わない部分がどうしても生じます。
そのため、履修内容にズレが出てしまう場合がありますが、逆に「それなら思いきって半年間しっかり留学してしまおう」と気軽に言えるような環境が整っていけば良いなと考えています。
── ちなみに、留学制度についての最新情報を知りたい場合はどうすればよいでしょうか?
青森中央学院大学のホームページ内にある「国際交流・留学」のページを見ていただくと、留学プログラムや実際に留学した先輩たちの体験談などが詳しく紹介されています。
また、公式Instagramなどでも、キャンパスライフやイベントの最新情報を発信していますので、学生生活の様子を知ることができると思います。
加えて、オープンキャンパスに参加していただくのもおすすめです。
直接お話ししながら詳しい説明をお伝えできますし、当日は留学生も参加していることが多いので、関心のある国について留学生本人に直接質問してみることも可能です。
オープンキャンパスの受付の際に「国際交流や留学について聞きたい」とお伝えいただければ、すぐにご案内できます。日本人学生だけでなく留学生も案内役としてサポートしていますので、お気軽にご参加ください。
大学入学後に留学したい受験生へ青森中央学院大学からのメッセージ
── 最後に、青森中央学院大学の受験を検討されている方へメッセージをお願いします。
榮田先生(青森中央学院大学):地方に住んでいると、どうしても行動できる範囲が限られてしまい、そのぶん視野も狭くなりがちだと感じるものです。しかし、本学ではそのような心配はまったくありません。
キャンパス内では、留学生と直接交流できる機会がとても多く、海外で学びたい学生を支援してくれる職員やスタッフもたくさんいます。たとえば、交換留学制度の利用などを通じて、自分自身が海外にチャレンジすることも可能です。
また、キャンパス内では異文化交流を身近に体験できます。たとえば、留学生が主催するイベントでは、それぞれの国の料理を、自分達で材料から買い出しに行って、ふるまってくれる場も設けられています。
ベトナム料理やタイ料理など、そういった現地の食文化から気軽にふれることから、自然と異文化への興味や理解が深まるものかなと思っています。
野呂さん(同上 国際交流課):留学を目指したり、語学をもっと学びたいと考える高校生の皆さんは、都会の大学に意識が向きやすいかもしれません。
しかし、青森中央学院大学には、青森にいながらでも国際的な学びやさまざまなチャレンジの機会が豊富にあります。
海外で学びたい夢や語学力を伸ばしたい目標を持つ高校生の皆さんは、青森にいながら国際的な学びやさまざまなチャレンジの機会を経験できる本学を、ぜひ進学先の選択肢のひとつに加えてみてください。
── 貴学での学びや国際交流の実際について、大変参考になりました。本日はありがとうございました。
青森中央学院大学の基本情報
| 大学名 | 青森中央学院大学 |
|---|---|
| 学部 | 経営法学部・看護学部 |
| 所在地(住所) | 青森県青森市大字横内字神田12番地 |
| 留学プログラム | 交換・中期・短期・インターンシップ |
| 大学公式HP | https://www.aomoricgu.ac.jp/ |
| SNS | ・【青森中央学院大学国際交流センター Facebook】 ・【青森中央学院大学国際交流センター YouTube】 ・【青森中央学院大学・青森中央短期大学学園広報 Instagram】 |
※ 取材時の情報を掲載しています。
地方にありながら“世界が近い”。青森中央学院大学の取材後記
取材で印象的だったのは、出発前から帰国後まで一貫した留学サポートの手厚さです。
たとえば、語学面での不安をなくす語学準備講座や、帰国後の振り返りまで丁寧に行ってもらえる点も、少人数教育の大学ならではの留学制度の魅力ではないでしょうか。
ただ留学に行っただけではなく、その経験を「語れる力」に変える。自分の強みとして就職活動にもしっかりと活かせるので、卒業後も見据えながら安心して留学に挑戦できそうです。
また、留学をしない場合でも、キャンパスを歩いていると自然に留学生と出会うことができるほど、国際色あふれる環境です。
留学生と一緒に学び、今度はその留学生の母国に実際に留学してみる。といった、海外挑戦の循環が生まれているのも、同大学ならではの、温かみのある国際交流の形だと感じました。
青森中央学院大学のオープンキャンパスでは、積極的に留学に関する情報を発信しているため、ブースにいる外国人留学生に声をかけるチャンスがあるそうです。
「留学について知りたい」その一言で、さまざまなサポートを受けられます。ぜひ青森中央学院大学の学びの魅力を体感してみてください。
取材日:2025年11月19日
取材/文:永谷 知香
写真提供:青森中央学院大学 国際交流課





