
アジア諸国を中心に、協定校と連携しながら学生同士の交流と学びの場を提供している大正大学。
2026年4月の新学部創設に伴い、グローバル教育のさらなる発展が期待されています。
そんな大正大学は奨学金制度や単位認定制度など、学生が積極的に留学できる仕組みが整っており、大学院を含む全学年・全学部の学生誰もが留学にチャレンジできます。
なんと大正大学なら留学しても、4年間で大学を卒業することもできるんです!
学生が留学にチャレンジしやすい環境が整っている大正大学の留学制度とは?
今回は教務部国際担当の平出様に、大正大学の留学制度についてお話を伺いました。
目次
大正大学の教育理念「4つの人となる」をもとにしたグローバル教育の展開
── まず、大正大学が掲げるグローバル教育の方針を教えてください。
大正大学は「4つの人となる」という教育理念を掲げております。
4つの人とは、「慈悲の人」「自灯明の人」「中道の人」「共生の人」のことを表します。
わかりやすく言うと、「共感と探究心を持ち、論理的かつ倫理的に行動しながら、他者と共に新たな価値を創造できる人材」を育成していこう、というのが本学の方針です。
この方針をもとに大正大学では、学内での語学教育だけでなく海外でのフィールドワークやプロジェクト型学習(PBL)などを通じて、多角的かつ実践的に国際的視野を広げていけるような教育に取り組んでいます。
※プロジェクト型学習(PBL)とは「課題解決型学習」とも言われ、生徒が自ら解決すべき課題を見つけ、その課題を自ら解決するために取り組む学習方法のことを言う。
特に本学は仏教精神が元になった大学なので、その関係でタイや中国といったアジア諸国との交流を中心にグローバル教育を展開しています。協定校もアジア圏の大学が多いです。
全学年・全学部に留学のチャンス!4年で卒業できる留学方法もある
── 大正大学の留学制度の特徴や魅力を教えてください。
本学の留学制度の特徴は、全学年に留学の機会を提供できることです。
学部生はもちろん、大学院生も留学が可能で、所属は問いません。本学に在学している方であれば、成績要件と語学要件を満たしさえすれば、全員留学に行ける制度になっています。
また、休学せずに留学できるのも本学の留学制度の魅力です。協定留学や認定留学の場合に限るのですが、本学に在籍したまま留学に取り組むことができます。
単位の取得状況にもよりますが、留学期間を含めても4年間で卒業することも可能です。
── 休学しなくても長期留学できるのは、とても魅力的ですね。ほかにも留学制度の特徴はありますか?
留学先で取得した単位を大正大学の単位として、最大30単位まで認定することが可能です。
単位取得を目的としない任意留学を除いて、協定留学、認定留学、そして本学が主催する1ヶ月程度の海外文化・語学研修が単位認定の対象となっています。
認定された単位については、卒業要件にも含まれるため、留学する学生の単位取得の負担が通常より軽減されるのではないかと考えております。
どんな留学ができるの?大正大学でできる留学方法4つ
── お話の中で「協定留学」や「認定留学」というワードが出てきましたが、大正大学でできる留学方法について詳しく教えてください。
大正大学が提供している留学プログラムは、主に「協定留学」「認定留学」「任意留学」「海外文化・語学研修」の4種類です。
協定留学は、本学と協定を締結している海外大学に留学に行く交換留学制度です。
協定留学の場合、先ほど紹介した留学のメリットがすべて含まれています。
つまり、本学に在籍したまま長期留学ができ、留学先で取得した単位を大正大学の単位として認定できるんです。
また、奨学金制度も充実しており、留学先大学の授業料の一部または全額免除、寮費の減免などの支援を受けることができます。
※ 支援の内容は留学先の大学によって異なります。
また、本学で用意している奨学金も受けられます。現在は、アメリカ、ドイツ、中国、韓国、タイの5つの地域の、8大学で協定留学が可能です。
最近では特に、ドイツのミュンヘン大学と、韓国・ソウルにある東国大学校が比較的人気の留学先となっています。
── 協定留学は定員がありますよね。定員を超える申し込みがあったら選考となるのでしょうか?
はい。定員を超える申し込みがあった場合は、本学の国際交流関係の教員と面談を行います。
選考においては、留学の明確な目的があるかどうか、帰国後のビジョンをしっかり見据えているかどうかを重視して選考しています。
── なるほど。では惜しくも協定留学に行けなかった方や、行きたい大学が他にあるという方はどの留学方法になるのでしょうか?
留学先で取得した単位を、本学の単位として認定してほしいという場合は、認定留学となります。
認定留学の場合、基本的には大学の選定や手続き関連はすべて学生さんに行っていただき、留学先から入学許可が下りたタイミングで、本学に申請していただく流れになっています。
留学先の授業料は自己負担となるため、協定留学に比べると負担が大きい面もありますが、留学先大学の選択肢が広がるため、ぜひ活用していただきたい留学制度です。
ただし認定留学の留学先には条件がありまして、「正規の高等教育機関で学位授与権を有する大学」となっております。語学学校や専門学校については認定留学の留学先として認められていません。
もしこのような条件に縛られることなく、自由に留学に取り組みたい場合は、任意留学となります。
任意留学は、留学支援団体などを利用して各国の大学、専門学校、語学学校で学ぶ留学です。
留学期間中は休学扱いとなるため、それに伴い、卒業が遅れることになります。本学の場合は海外協定校があまり多くないことから、休学して留学する学生もいます。
もし短期間の語学研修でよいということであれば、本学の海外文化・語学研修を利用していただくと良いでしょう。
実は、留学プログラムの中ではこの海外文化・語学研修を利用する学生が最も多いんです。
このプログラムは外国語コミュニケーション能力や異文化理解の向上を主な目的としています。
留学期間は1ヶ月程度で、プログラムによっては2週間から4週間程度です。短期間なので初めて留学を経験する学生でも挑戦しやすいと思います。
また、長期休暇中に実施されるため休学の必要がないことや、単位認定の対象であることも人気の理由です。
── 海外文化・語学研修のプログラムはどういったものを用意されていますか?
海外文化・語学研修は現在、アメリカのハワイ大学マノア校、ドイツのミュンヘン大学、韓国・釜山にある東西大学校へのプログラムがあり、研修ごとにそれぞれ特徴があります。
例えばハワイ研修の場合は、ハワイと日本、日系移民という歴史的な繋がりがあるため、日系社会の形成を宗教的な背景から探るプログラムとなっています。
ミュンヘン大学での研修は、ヨーロッパ、特にドイツが力を入れているSDGsに関する理解を深めることを目的としたプログラムです。
韓国東西大学校でのプログラムは、韓国文化の実践的な理解促進を主なテーマに掲げて、研修を行っています。
なお、海外文化・語学研修の参加において語学要件などは設けていないので、少しでも興味があればぜひ参加していただきたいです。
大正大学の奨学金制度は「協定留学生奨学金」と「海外特別留学奨学金」
── 大正大学の海外留学に関する奨学金制度について教えてください。
本学の海外留学に関する奨学金制度は主に2つあります。
1つ目は「協定留学生奨学金」という奨学金制度です。協定留学と海外文化・語学研修で、欧米圏に行く学生向けの奨学金となっています。
支給の条件は、対象となる国や留学プログラムに参加することに加え、TOEIC®L&RやTOEFL®のスコア条件を満たす必要があります。
2つ目は「海外特別留学奨学金」です。こちらは協定留学と認定留学に参加する学生が対象となっています。
一般的な交換留学は、在籍校の授業料を支払いながら留学に取り組むケースが多いです。
ですが大正大学では、本学の授業料をこの海外特別留学奨学金によって免除という形にしています。
そのため、留学期間中は本学の授業料はかかりません。もちろん、協定留学では留学先の授業料も不要です。
これにより、もともと授業料として支払う予定だったお金を渡航費や留学中の生活費などに充てることができます。
── 費用面で留学を躊躇する学生さんも多いので、こういった支援があると留学へのハードルが下がりますね。
ちなみに、海外文化・語学研修には「海外語学研修奨励金」があり、一人あたり2万円が支給されます。
このように、奨学金制度は非常に充実していますので、ぜひ活用していただければと思います。
留学に関する相談は大正大学教務部の国際担当へ
── 大正大学の留学制度についていろいろ知りたいと思ったときに、学生さんが相談できる窓口はありますか?
本学教務部に私たちのような国際担当がおりまして、日常的にオフィスでの対面相談であったり、メールによる相談、Zoomを用いたオンラインでの相談対応なども行っています。
また、教務部のフロアの一部に「留学・国際交流コーナー」があり、そこに留学プログラムや外部からいただく国際交流イベントの案内、そして留学経験者の報告書などを置いています。
その他、定期的に国際交流ガイダンスを行ったり、InstagramやXで情報発信をしたりしており、こういったところで情報収集ができる体制になっていますね。
留学した学生の感想が知りたい方は、協定派遣留学生の報告会にご参加いただくと良いでしょう。オンラインの同時配信も行っており、学生だけでなく保護者の方もご覧いただけます。
大正大学は留学前後のサポートも充実
── 留学が決まった学生さんへのサポート体制はどのようになっていますか?
留学が決まった学生には、定期的に面談の機会を設けておりまして、手続きの支援等に努めています。
また、出発の約1ヶ月前くらいに派遣者を対象とした「出発前ガイダンス」を実施し、留学中の過ごし方や危機管理、安全管理などをテーマにガイダンスを行っています。
語学支援については、「英会話サロン」という取り組みを行っていまして、毎週1回、英語ネイティブの教員から留学生活中に役立つフレーズなどを実践的に学べる機会を設けています。
── 英語の学習支援があるのは嬉しいですね!留学中の相談も受けていらっしゃいますか?
もちろん、留学中のサポート体制も整っています。
必要に応じて私たち国際担当のLINEやカカオトークなどの連絡先を共有して、緊急時でも即時に連絡が取れるようにしています。
さらに派遣者には毎月ブログ形式の報告書を提出するよう義務付けていまして、その報告書で留学生活の様子を把握しているんです。
このブログ形式の報告書は、大学のホームページに掲載され、さまざまな方に見ていただける仕組みになっています。
── LINEでいつでも相談できるのはとても心強いですね。帰国後のサポートについてはいかがでしょうか。
留学後は、本学のキャリアセンターと連携しながら留学経験者を対象とした就職説明会の情報を共有したり、留学経験者を積極的に雇用している企業さんをキャリアセンターから紹介していただいたりして、支援を行っています。
最近の傾向では、留学前に就職説明会への参加やインターンを済ませてから出発する学生もいたりしますね。
学生の皆さんがしっかりしていることもあり、留学前に就職活動についても合わせて相談する方が多いように感じます。
国際交流会で留学生と交流できる!留学生と行く日本文化研修も大好評
── 大正大学では留学をしなくても、キャンパス内でグローバルな人材を育む仕組みはありますか?
本学では授業期間中、2週間に1回程度の頻度で国際交流会を行っています。
この交流会は、協定校から受け入れている協定留学生と本学の学生が交流できる場となっていて、留学生の母語を教えてもらったり、お互いの文化について紹介し合ったりするイベントを行っています。
私たち教務部は留学生と密に交流しており、「留学生と交流したい!」とリクエストをいただければ、留学生を紹介して親交を深めてもらうこともできます。
また、これはキャンパスを飛び出す取り組みではあるのですが、「日本文化研修」というものを毎年実施しています。
日本文化研修は、本学に留学している協定留学生と本学の学生が、一緒に歌舞伎鑑賞や寺院巡り、茶道体験等を通じて日本文化の魅力に触れ、理解を深める活動です。鎌倉や江ノ島の寺院を訪問したこともありますよ。
── 鎌倉や江ノ島でフィールドワークができるなんて羨ましいです!学生さんたちは英語で会話をするのですか?
基本的に、本学で受け入れている留学生の皆さんは、日本語がとても堪能なんです。
ですので、日本語中心に会話をして、ときには留学生の母語で会話をしている様子が見られます。
大正大学の今後「欧米諸国への留学プログラムをさらに充実させたい」
── 今後、グローバル教育や留学制度において、さらに力を入れていきたいことはありますか?
本学は現在アジア諸国との交流が多く、留学している学生も多いのですが、欧米諸国への留学制度は限られています。
そのため今後は、欧米諸国への留学機会をさらに提供できるよう、制度を整えていきたいと考えています。
また、語学支援についてももっと充実させたいです。
留学希望者への語学支援は、現状英語に限られていますが、学生からは韓国語やドイツ語の語学支援についても要望が寄せられています。
ですので、英語以外の語学支援の機会をもっと設けたいと考えています。
さらに、大正大学は2026年から新たな学びのフィールドを展開する予定です。
新学部「情報科学部」の創設に伴い、ニューヨーク・ブルックリンのサテライトキャンパスやマレーシアなどで、従来の語学教育やフィールドワークに加え、現地企業でのインターンシッププログラムなども、今後は積極的に取り入れていきたいと考えています。
※ インタビュー時「情報科学部」は設置認可申請中のため、学部名などは変更になる場合があります。
大正大学のオープンキャンパスで留学相談ができる!
── 中学生や高校生が大正大学の留学制度について知りたいときは、どこで情報が得られますか?
本学のホームページで国際交流や留学関係について随時情報を公開しています。
先ほどお話しした派遣学生のブログなども公開していますので、まずは本学のホームページをご覧いただくことをおすすめします。
また、InstagramやXでは、イベント情報や留学中の学生のショートレポートを発信しています。留学生活の様子がわかるので、こちらもぜひチェックしてみてください。
── 私もホームページで公開されている留学ガイドを拝見しましたが、留学プログラムの違いや留学スケジュールがわかりやすく、とても参考になりました。
ありがとうございます。こういった情報以外に、対面でご相談いただける機会もあります。
ほぼ毎月開催している大正大学のオープンキャンパスでは、個別相談ブースを設けています。
主に受験相談ができるブースなのですが、その中に留学・国際交流相談ブースもありますので、こちらで留学に関する相談が可能です。
受験生ご本人はもちろん、保護者の方も一緒にご相談いただけますので、ぜひご利用ください。
大正大学から受験生へのメッセージ
── 最後に、大正大学の受験を検討されている方、大学入学後に留学を検討されている方にメッセージをお願いします。
大正大学は、他の国際色豊かな大学と比べると、決して留学先や留学生数が決して多いわけではありません。
だからこそ、留学を希望する学生にとっては、留学しやすいというメリットがあります。
また留学先や留学生数が少ないことで、一人ひとりの学生に対して、きめ細やかで丁寧な留学支援ができる点も魅力の一つです。
本学は在学生がおよそ5,000人で、教職員と学生の距離も近く、困ったことがあればいつでもサポートしてくれる人が周りにたくさんいます。
そのため、大正大学なら安心して留学に臨んでいただけます。
また、今後は新学部の創設なども予定しており、より国際分野に力を入れていきたいというのが大学の方針です。
留学や国際交流に関心のある方は、ぜひオープンキャンパスの個別相談などにお気軽にお越しください。
── 本日は貴重なお話をしていただき、ありがとうございました!
大正大学の基本情報
大学名 | 大正大学 |
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学部 | 仏教学部、文学部、人間学部、臨床心理学部、表現学部、地域創生学部、情報科学部※ ※ 仮称/2026年4月開設予定(設置認可申請中) |
所在地(住所) | 〒170-8470 東京都豊島区西巣鴨3-20-1 |
留学プログラム | 協定留学(交換留学)、認定留学、任意留学、海外文化・語学研修 |
大学公式HP | https://www.tais.ac.jp/ |
SNS | ・大学公式SNS:https://www.tais.ac.jp/utility/sns/ ・国際交流公式Instagram:https://www.instagram.com/taishouniv_kokusai/ ・国際交流公式X:https://x.com/tais_kokusai |
※ 取材時の情報を掲載しています。
学生一人ひとりの留学を温かくサポート!大正大学の留学制度取材後記
大正大学の良いところは、学生一人ひとりの留学をとても大切にしているところです。
学生と教職員の距離が近く、相談しやすい雰囲気の中で、学生さんにとって素晴らしい留学経験になるよう温かくサポートしてくれます。
把握しきれないほど豊富な留学プログラムがある大学ももちろん魅力的ですが、大正大学のようにプログラムの種類がある程度決まっていて、自分でどの留学が最適かをしっかり選べるというのも、大きいメリットだと思います。
また、学年や学部の垣根を超えて自由に留学先を選べるのも、大正大学の留学制度の魅力だと感じました。
私が一番うらやましいと思ったのは、やはり協定留学です。「留学先の授業料が無料」「奨学金が受けられる」「4年で卒業できる」といったメリットがあるこの制度は、ぜひ活用してほしいです。
留学しながらも、4年で大学を卒業しようと思う場合は、入学時からしっかりと計画を立てることが大切です。今から入学後のシミュレーションをしておくのも良いでしょう。
公式サイトに掲載されている「国際教育・留学ガイド」には、大正大学の留学制度に関する情報がとてもわかりやすくまとめられているので、ぜひ一度ご覧ください。
取材日:2025年7月11日
取材/文:富澤 利恵
写真提供:大正大学