福井県福井市とあわら市にキャンパスをもつ福井工業大学(通称FUT) は工学部・環境学部・経営情報学部・スポーツ健康科学部の4学部8学科を備えた工科系総合大学です。
「英語が使える技術者の育成」を目指し、福井の地元企業を中心に連携して行う2週間の海外インターンシップや、海外語学研修などにも力を入れる福井工業大学は、留学生の受け入れにも積極的で、国際色豊かなキャンパスで4年間を過ごせます。
今回は、インターナショナルセンター長のリー教授とキャリアセンター長の五十嵐教授のお二人に、福井工業大学が実施している海外プログラムについてお話を伺いました。

目次
福井工業大学が目指す英語コミュニケーション能力をもった技術者の育成

── はじめに、福井工業大学が掲げるグローバル教育の方針を教えてください。
本学のグローバル教育には3つの柱があります。
1つ目が「英語運用能力の育成」、2つ目が「海外経験の機会の提供」、そして3つ目が「国際連携の強化」です。
この3つを柱として、学生が世界で活躍できる力を段階的に育成することを教育方針としています。
── 具体的にはどのようなことをされていますか?
1つ目の英語教育では、「SPEC(スペック)」というプログラムを提供しています。
これは「Special Program for English Communication」の略で、1年生から4年生まで継続的に、英語コミュニケーション能力を伸ばすための教育プログラムです。
必修科目以外でも、英語コミュニケーションやTOEIC®対策、ビジネス英語、技術英語など、学生の将来のキャリアに役立つような、実践的な英語教育を重視しています。
「英会話カフェ」という外国人教員とのフリートークが楽しめる場も提供しているので、授業以外でも気軽に英語に触れられます。
2つ目の海外経験の機会としては、「OCPS」というプログラムがあります。
「Overseas Challenge Program for Students」の略で、語学研修、文化体験、海外インターンシップ、そして日本語アシスタント研修など、福井工業大学が独自に提供する多様な海外留学プログラムです。
学生が海外に赴き、それぞれの専門性を実際に活かす経験まで、段階的に挑戦できる仕組みを整え、大学として費用支援も行っています。
3つ目の国際連携の取り組みとしては、タイ・バンコクにASEAN事務所を開設しています。
学生交流や共同研究の促進、そして現地との連携強化を図るうえで重要な拠点となっています。
── 技術力だけでなく、英語力も高めるためのプログラムが充実していますね。技術者として「英語が話せる強み」はどういったところにありますか?
海外拠点で働く場合はもちろんですが、日本国内で仕事をしていても、海外の取引先とのコミュニケーションが必要になる場面もあります。
どこで仕事をしていても、自分の思いを正しく伝えられる人材を育てたいと思っています。
福井工業大学と地元企業を中心に協業で実現する海外インターンシップ

── 数ある留学プログラムの中で、 福井工業大学ならではのプログラムを教えてください。
本学では、海外インターンシッププログラムが大変充実しています。
地元福井を中心に、海外で工場や拠点をもつ企業のご協力のもと、福井工業大学の学生を現地で受け入れていただく3年生向けのプログラムです。
派遣期間は夏期の約2週間で、実際に海外の現地スタッフと一緒に仕事をする経験を積みます。
大学としても、協力企業との打ち合わせなどを含めて1年近く準備期間をもち、非常に力を入れて行っているプログラムのひとつです。
渡航費や滞在費のサポートも行い、学生の負担が少なくなるような条件を整えています。

── 学生のうちに、海外の現場を体験できる機会は貴重ですね。参加された学生さんの満足度はいかがでしょうか?
参加学生の満足度は高く、その評判から毎年募集人数を上回る応募があります。
プログラムの概要を伝える説明会を2年生の1月に行い、面接や成績などをもとに派遣学生を選抜しています。例年は20数名の学生が選ばれています。
選考は春休み中に行い、4月に3年生の授業が始まると同時に本格的な事前準備が始まります。
学生たちはビジネスマナーや海外で生活する際に気をつけるべき点、ビザの取り方など、細かいレクチャーを受けたうえで8月の現地派遣を迎えます。
どの学生も、海外の方と実際に関わりながら仕事に携わる経験を通じて、自信を深めて戻ってきます。
その後の学生生活や就職活動の姿勢にも、積極性が感じられるようになり、大きな成長を遂げたことを実感しますね。
── 研修から戻ったあとの振り返りは行っていますか?
活動報告会を行っています。

報告会自体は、他の海外プログラムでも行っていますが、海外インターンシッププログラムの場合、本学の教職員や学生だけでなく、ご協力いただいた企業の方々もお招きし、半日ほどかけて、より大きな規模で発表を行います。
学生にとっても、いろいろな方からご意見やアドバイスをいただける貴重な場となっています。
── 学ぶことが多く、学生からの人気が高い理由がうかがえますね。海外インターンシップには「日本語アシスタント研修」もありますが、こちらはどのような研修でしょうか?
福井工業大学の協定校であるタイの高校で、日本語の授業のティーチング・アシスタントをする約2週間のプログラムです。
海外インターンシッププログラムと同じプロセスで参加者を募り、選抜したうえで、同時期に現地へ派遣しています。
現地の高校生とのコミュニケーションを通じて、学生にとっては当たり前の「日本語」「日本文化」を見つめ直すきっかけになれば、という狙いがあります。
こちらのプログラムについては、大学から渡航費や滞在費の補助を行っているのも特徴の1つです。
海外語学研修と文化体験で磨くコミュニケーション力

── 英語力を高めるための海外プログラムはありますか?
海外語学研修を行っています。
アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアといった英語圏にある本学の協定校で2週間、英語を学ぶプログラムとなっており、単位認定も行っています。
現地のホストファミリー宅でのホームステイが参加条件なので、24時間、英語漬けの生活です。
テレビやラジオ、買い物中も含め、常に英語が飛び交う環境に身を置くことで、学生は海外の人とのコミュニケーションの取り方を肌で学んでいきます。
研修先の国や地域によって学ぶ内容も若干異なるので、一度参加して終わりではなく、リピーターとして何度も参加する学生もいます。
──「文化体験プログラム」もありますが、こちらは語学研修とは別のプログラムですか?
文化体験プログラムは10日から2週間、海外の協定校に短期滞在するプログラムです。
現地で語学レッスンを受けながら、観光施設を訪れたり文化体験をしたりすることを目的としています。
現在は韓国にある協定校を訪れ、参加学生は韓国語のレッスンを現地で受講するプログラムとなっています。
── 体験重視のプログラムなのですね。「海外に行くのは初めて」という学生さんでも、気軽に参加できそうです。
そうですね。本学には韓国語の正規コースがないため、残念ながら単位修得にはなりませんが、現地でたくさんの刺激を受けることができ、学生にとって素晴らしい体験になっているようです。
「Seize the Day」学生の自由な夢を応援する福井工業大学の奨学金制度

──「海外で学びたい」という学生を支援する奨学金制度について教えてください。
福井工業大学独自の奨学金制度として「Seize the Day」という制度があります。
これまで紹介してきました、「海外インターンシップ」「海外語学研修」「日本語アシスタント研修」など、本学が提供するプログラム以外で海外留学をしたい学生に対して、留学費用の一部を支援する仕組みです。
申請には、渡航先や日程、活動内容をまとめた計画書の提出が必要です。内容を審査したうえで、大学としての支援の可否や具体的な支援金の額を決定しています。
──「Seize=つかみ取る」という力強い言葉からも、学生の夢の実現に向けて、サポートを惜しまない大学の熱意が伝わります。
「Seize the Day」を導入して10年以上になりますが、学生からの問い合わせは非常に多いですね。
審査にあたり学生に留学計画書を提出してもらうのですが、作成する際は「なぜ留学したいのか」や「留学後のビジョン」といった細かいところまで具体的に記入するよう指導しています。
支援を希望する学生はみんな意識が高く、留学計画書のフォーマットを使って、自分の力でしっかりと書き上げてきますね。
本学のホームページには「Seize the Day」を活用して留学した先輩の体験談を掲載しているので、ぜひ参考にしてください。(Seize the Day 体験者の声)
海外留学を希望する学生の相談窓口「インターナショナルセンター」

── 福井工業大学のインターナショナルセンターはどういった施設ですか?
インターナショナルセンターでは、海外留学プログラムの企画や海外大学との協定締結、そして本学に来る留学生の支援などを行っています。
また、学生からの海外留学に関する相談も、随時受け付けています。
── 学生さんからの質問は、どういった内容が多いでしょうか?
「長期留学に行きたいが、大学は休学しないといけないのか」といった相談は多いですね。
学生によって、留学に行く時期や留学期間、単位認定の有無など条件が異なってくるので、留学の内容に合わせてその都度アドバイスしています。
それ以外では、すでに渡航が決まっている学生で、パスポートやビザの申請手続きのサポートをしてほしいと相談に来る人もいます。
── 留学前は学生さんもいろいろと不安な気持ちになりますよね。渡航前に、留学経験者と交流する機会はありますか?
はい。本学では、留学から戻った学生による報告会を実施しています。
発表のスタイルはプレゼンテーションやポスター掲示など、さまざまな形がありますが、希望者は誰でも報告会に参加することができます。
「これから留学に行きたい」と考える下級生が、経験者から直接話を聞くことができる機会となっています。
海外留学を経験した学生に見られる変化「明るさと積極性」

── 留学を経験して帰国した学生の様子に、変化は感じますか?
目立つ変化としては、明るく、社交的になることですね。
留学前は構内ですれ違っても無言だったような学生でも、戻ってくると元気に挨拶して、ハイタッチとか、ハグをしてくる学生もいます。(笑)
授業中も発言が増え、積極的に自分の意見を言うようになります。
クラスの雰囲気が明るくなり、授業にも活気があふれるので、教員としても非常に嬉しいです。
── 社交性と積極性を身につけて帰ってこられるのですね。留学後の進路選択にはどのように影響していますか?
「将来的に海外の拠点に行かせてくれる企業に就職したい」という希望は、海外インターンシッププログラムを経験した学生を中心に、一定数聞かれますね。
これはインターンの派遣時期が、3年生の夏という就職活動が視野に入ってくる時期と重なることも関係していると考えます。
海外インターンシップにしても、語学研修にしても、「海外でやり遂げた」という経験は学生の自信を深めます。
特にインターンシップは「仕事」として活動に携わるので、「やるしかない」という度胸がつくようです。
このようにして学生が身につけた自信や度胸は、就職活動全般においても非常にポジティブな支えとなるようで、スムーズに内定に至るケースが多いです。
留学生が多く国際色豊かな福井工業大学のキャンパスで広がる交流

── キャンパス内でグローバルな視野や能力を育てられる場はありますか?
福井工業大学のキャンパスは決して広くはありませんが、さまざまなバックグラウンドの人が集うインターナショナルな雰囲気があります。
現在、本学には全学生数に対して約7%に相当する外国人留学生が在籍中です。
また、英語の教員として10名の外国人教員がキャンパス内にいるので、学生はいつでも気軽に英語でコミュニケーションを取ることができます。
インターナショナルセンターが年2回主催する交流イベントでは、文化紹介、スポーツ交流、料理体験、各種パーティなどで、日本人学生と留学生が親交を深める場を設けています。
総学生数がそれほど多くないからこそ、学生と教員、また日本人学生と外国人留学生、といったお互いの距離が近いのも、本学のひとつの大きな魅力だと思っています。
福井工業大学から受験生へお知らせとメッセージ
── 受験生が福井工業大学の留学制度について相談することはできますか?
オープンキャンパスの際に、インターナショナルセンターのブースを設けています。
海外留学制度OCPSや英語教育プログラムSPECについての説明もさせていただいていますし、個別の相談も受け付けています。
オープンキャンパスは高校生のお友だち同士はもちろん、保護者や高校の教員の方同伴で来場される方も多いですね。
── それでは、福井工業大学の受験を検討している受験生にメッセージをお願いします
インターナショナルセンター長 ブラッドフォード・リー教授:
福井工業大学に関心を寄せてくださりありがとうございます。
本学は多様な価値観を重視し、世界とつながる学びを大切にしている大学です。
キャンパスには、国内外から集まった学生が学び合い、お互いの文化や考え方に触れながら成長できる環境があります。
英語を使ったコミュニケーションや海外語学研修、文化体験、海外インターンシップなど、自分の世界を広げるチャンスが数多く用意されています。
「海外に興味はあるけれど、まだ自信がない」「自分の得意なことを、どう伸ばせばよいのかわからない」
そのような気持ちでも大丈夫です。大学での4年間は挑戦しながら自分の可能性を見つけていく時間です。
本学には、みなさんの一歩を支える先生方、仲間、そして多様なプログラムがあります。
ぜひ一度、キャンパスに来て、多様性と国際性が息づく福井工業大学の雰囲気を感じてみてください。
皆さんと新しい未来を作っていけることを、心から楽しみにしています。
キャリアセンター長 五十嵐教授:
本学は「工業大学」という名前が表すように、エンジニア・技術者を養成する大学です。
一方で、昨今のエンジニアには技術力だけでなく、世界の共通言語としての英語コミュニケーション力も当たり前に求められるようになっています。
日本国内だけで仕事ができる時代ではありませんし、海外の方とのやり取りは必須と言えます。
本学の学生は、実際に海外に行き、学び、就業体験を積むことでコミュニケーションツールとしての英語力の大切さを実感していきます。
自分たちのもつ技術を、正しく海外の方にも伝えられるようになる。
そうした学生の思いとチャレンジを、福井工業大学では応援しています。
ぜひ本学にお越しください。歓迎します!
── 本日はありがとうございました!
福井工業大学の基本情報
| 大学名 | 福井工業大学 |
|---|---|
| 学部 | 工学部、環境学部、経営情報学部、スポーツ健康科学部 |
| 所在地(住所) | 〒910-8505 福井県福井市学園3丁目6-1 |
| 留学プログラム | 海外語学研修、Seize the Day、文化交流プログラム、海外インターンシップ |
| 大学公式HP | https://www.fukui-ut.ac.jp/ |
| SNS | インターナショナルセンター Instagram 福井工業大学公式 Instagram 福井工業大学公式 Facebook 福井工業大学公式 X 福井工業大学公式 YouTube |
※ 取材時の情報を掲載しています。
世界で活躍するエンジニアを目指す!福井工業大学の取材後記
工科系総合大学として技術者育成を担う福井工業大学。
地元企業と連携した海外インターンシッププログラムや、学生の自由なチャレンジを後押しする留学支援制度「Seize the Day」など、福井工業大学独自の取り組みが強く印象に残りました。
実際に海外で学ぶ留学体験だけではなく、日々キャンパス内での教職員や留学生との密な関わりを通して、学生一人ひとりのコミュニケーション能力が磨かれていく様子がうかがえます。
世界中どこに行っても自分の思いを正しく伝え、そして相手の思いを正しく受け取る。
確かなコミュニケーション力を身につけた技術者が育つ福井工業大学では、年間7回のオープンキャンパスを実施しています。ぜひ実際に足を運んでみてはいかがでしょうか。
取材日:2026年6月4日
取材/文:川崎美和
写真提供:福井工業大学





