東北福祉大学のアイキャッチ

東北福祉大学は、宮城県仙台市にある私立大学で、福祉・医療・教育・健康などの分野を専門に学べます。グローバル教育では、単に語学力を伸ばすだけでなく、国際社会や地域社会で人を支援できる力を身につけることを大切にしています。

そのため「専門分野の学び」と「留学」がどのように結びつくのかが、気になるポイントではないでしょうか。

特に、専門的な資格取得を目指す場合は、実習や国家試験、採用試験との両立も考慮する必要があります。このため、留学費用やサポート体制、そして4年間で卒業できるかどうかは、事前に確認しておきたい内容です。

そこで今回は、東北福祉大学の留学制度や国際交流の取り組みについて、英語教育や国際交流を担当されている太田聡一先生(社会福祉学科)にお話を伺いました。

「人を支援する力を世界へ広げる」東北福祉大学のグローバル教育

東北福祉大学の外観
── はじめに、東北福祉大学が掲げるグローバル教育の方針を教えてください。

東北福祉大学は、福祉・医療・教育など、「人を支える分野の仕事」を志す学生が学ぶ大学です。また、それぞれの専門分野で知識や技術を身につけ、地域社会や国際社会に貢献できる人材となることを目指しています。

「グローバル」と聞くと、「英語が得意な人」や「留学をする人」のためのものだと思われるかもしれません。しかし、東北福祉大学が目指しているグローバル教育では、自分の専門分野を活かしながら、さまざまな背景を持つ人々に寄り添い、支える力を身につけることを重視しています。

例えば、今の日本では、外国にルーツを持つ人や、さまざまな文化的背景を持つ人と接する機会が年々増えています。福祉や医療、教育の現場でも、多様な人と関わることは特別なことではありません。

そのため、異文化理解やコミュニケーション力は、将来、人を支える仕事に就くうえで役立つ力になっていきます。東北福祉大学では、こうした学びをさらに深めるために、学生の目的や専門分野に合わせたさまざまな留学・海外研修プログラムを用意しています。

東北福祉大学の留学制度とは?福祉国家フィンランドの交換留学

── 東北福祉大学には、どのような留学プログラムが用意されていますか?

まず、海外協定校で専門分野や語学を学ぶ 「交換留学」制度があります。

現在の派遣先は、フィンランドのラウレア応用科学大学と、韓国のハルリム大学、檀国大学です(※2026年時点)。いずれも5か月(半期)または10か月(通年)の交換留学を選択でき、自分の学修計画に合わせて留学期間を選ぶことができます。

その中でも、福祉や教育学の知見を深められるフィンランドへの留学は、学内でも人気のプログラムです。なお、フィンランドの交換留学の応募条件は、原則としてTOEIC550点を目安としています。

── フィンランド留学での印象的なエピソードがあれば教えてください。

例えば、フィンランド留学中に学生が体験した「特別支援教育」に関する話があります。

東北福祉大学の教育学科では、特別支援教育について学びます。障がいのある子どもや発達支援が必要な子どもを理解することは、教員を目指す学生にとって大切な学びです。

そして、本学で特別支援教育を学んだ学生がフィンランドへ留学し、現地の「日本人の子どもたちを支援する学校」で学習支援のボランティアを行いました。

この学校では、特別な支援を必要とする日本人の子どもが増えている一方で、十分な支援ノウハウがまだ整っていないという課題がありました。そこで、特別支援教育を学んできた学生の知識が大いに役立ち、高く評価されました。

また、別のエピソードとして、同じく教育学科で空手部に所属していた学生がフィンランドに留学し、現地の空手大会に出場して優勝したことで、多くの人々と交流する機会が広がったと聞きました。

東北福祉大学で培った専門性を、留学先での授業だけでなく、現地での交流やさまざまな体験にも活かし、貴重な学びを得て帰国する学生が多くいます。

東北福祉大学のフィンランド留学中の空手大会

東北福祉大学の海外研修で教育や看護についての理解を深める

東北福祉大学のシドニー研修

── 長期留学が難しい学生でも、参加できる留学プログラムはありますか?

春休みや夏休みなどの長期休暇を利用して参加できる「短期留学・海外研修」も用意しています。留学先はオーストラリア、マレーシア、マルタ共和国、韓国の4か国です(※2026年時点)。

このプログラムは、初めて海外に行く学生でも気軽に参加できる内容になっています。語学学習に加えて、現地での文化体験や見学を通じて、視野を広げられます。

英語研修は、オーストラリアのシドニー、マレーシアのクアラルンプール、そしてマルタ共和国で行われており、期間は2〜3週間です。英語学校で学びながら、文化体験や施設見学なども行います。

また、韓国の協定校で韓国語や韓国文化を学ぶ研修も人気です。現地の学生との交流を通じて、お互いの文化についてさらに理解を深めることができます。韓国への研修は、夏に約3週間、冬には約10日間のプログラムが用意されています。

── 現地では、授業以外にはどのような活動を行うのですか?

英語研修では、学生それぞれの専門分野に合わせて、現地で学ぶ機会を設けている点が特徴です。

例えば、シドニーでの研修に看護学科の学生が参加した際には、現地で働く日本人看護師の方から話を聞く機会を設け、海外で看護師として働くまでの道のりや現地での仕事内容など、貴重な話を直接聞くことができました。

また、スポーツビジネスに興味のある学生は、三浦知良選手も所属していたプロサッカークラブ「シドニーFC」を訪問しました。クラブの広報担当者から説明を受けたり、施設を見学したりして、スポーツビジネスの現場を肌で感じられました。

さらに、観光業に関心のある学生は、観光案内所で取材をする中で、州の観光局でアジア市場を担当する方にも話を伺うことができました。

── 学生の将来につながる、貴重な経験ですね!

加えて、マレーシア研修では教育学科の学生が多く参加しており、現地の日本人学校や現地校を訪問しています。こうした経験を通じて、大学で学んだ教育の知識を海外の教育現場と結びつけて考えることができ、貴重な学びとなっています。

このように、東北福祉大学の海外研修は、単に語学力を高めることだけが目的ではありません。自分の専門分野や将来のキャリアにつながる学びを重視しており、海外だからこそ得られる経験ができる点が大きな特徴です。

東北福祉大学のマレーシア研修

東北福祉大学では資格取得と留学の両立がカギ!早めの相談が大切

── 交換留学に参加すると、長い期間東北福祉大学を離れることになりますが、4年間で卒業できますか?

本学では、社会福祉士、介護福祉士、教員、看護師、理学療法士、作業療法士など、国家資格の取得を目指す学生のために、留学制度も実習や国家試験、採用試験の時期を踏まえて、計画的に設計されています。

また、交換留学先で取得した単位は卒業単位として認められます。そのため、多くの学生が卒業時期を延ばさずに留学を経験しています。

ただし、留学に行く時期によって、どうしても国家試験までに準備が間に合わないこともありますし、教育学科の学生も、教育実習や採用試験との兼ね合いがありますので、その際は4年間での卒業が難しくなる場合もあります。

── 留学するなら、いつ頃から相談するのがよいのでしょうか?

留学を考えている場合は、1年生のうちから希望を伝えておくことをおすすめします。ゼミ担当教員や関係部署に早めに相談することで、履修や実習のスケジュールを調整できる場合があります。

特に、10か月間の長期留学を希望する場合は、学科や目指す資格によっては実習日程などの調整が必要となり、卒業時期が延びる可能性があります。

「いつか留学してみたい」と考えている人は、早めに相談し、自分の学科の授業や実習のスケジュールに合わせて計画を立てるのがおすすめです。

専門職を目指す学びが充実している東北福祉大学だからこそ、早めに準備を始めることで、留学と資格取得の両立を目指すことができます。

東北福祉大学が支える、安心して挑戦できる留学サポートや事前研修

東北福祉大学の国際交流パーティー

── 留学を考えたときは、学内のどこに相談すればよいのでしょうか。

東北福祉大学では、学生支援課に「国際交流担当の職員」が常駐し、留学や海外研修プログラムについての相談を受け付けています。さらに、専任の語学教員も英語や留学に関する質問に対応しています。

また、長期の交換留学の場合、ビザの取得や現地での住まいの手続きも必要です。フィンランド留学ではアパートで生活するため、現地でのアパート契約に関するサポートも行っています。

── 留学前や現地では、どのようなサポートがありますか?

英語研修の出発前には、約3か月間の事前研修を行います。週1回の授業で英語を学ぶだけでなく、現地で必要となる文化や生活習慣、ホームステイでのマナーなども身につけます。

初めて海外へ行く学生も、事前にしっかり準備できるため、安心して現地での学びに取り組むことができます。

また、短期研修には教員が同行するため、現地で困った際にも相談できる環境が整っています。

── 留学経験は、学生の将来の進路やキャリアにどのようにつながっていますか?

本学には、将来の目標をはっきりと持っている学生が多くいます。

「資格を活かして人を支える仕事がしたい」「地元や地域に貢献したい」と考えている学生の場合、留学や海外研修は将来に役立つ貴重な経験となります。

実際にフィンランドへ留学した学生の中には、地元の震災復興や地域貢献に役立てたいという思いから留学に挑戦した学生もいました。

現地では、生涯を通じて続けられるスポーツが、暮らしの中でどのように活用されているかを学んだそうです。帰国後は、地元の行政に就職し、その学びを地域で活かしています。

このように、海外で得た知識や経験は、自分の地域や将来の仕事に大いに役立ちます。東北福祉大学の留学や国際交流は、学生のキャリア形成にも大きく貢献しています。

知っておきたい!東北福祉大学の留学のための助成金制度

── 留学を希望する学生向けの経済的支援はありますか?

留学に挑戦したい学生をサポートするため、東北福祉大学ではさまざまな支援制度を用意しています。

その一つが、海外研修や留学にかかる費用の一部を大学が補助する「留学助成金制度」です。渡航費や現地での生活費など、留学にはさまざまな費用がかかりますが、この制度を利用することで、経済面での負担を軽減しながら海外での学びに挑戦することができます。

さらに、大学独自の助成金制度とは別に、日本学生支援機構(JASSO)の「海外留学支援制度」を利用できるプログラムもあります。2026年度は、フィンランドへの交換留学、オーストラリア・シドニーでの英語研修、マレーシアでの英語研修が対象です。

フィンランドの交換留学では、10か月間の長期留学に参加する学生が、条件を満たすことで返済不要の支援を受けられる場合があります。また、シドニーやマレーシアでの英語研修についても、条件や人数の上限はありますが、支援制度の対象となっています。

「留学してみたいけれど、費用が気になる」という学生にとって、こうした支援制度は大きな助けになります。

制度の内容や支給条件は年度によって変更される可能性があるため、留学を検討する際は、大学の最新情報を確認しながら、自分に合ったプログラムを検討してもらえればと思います。

東北福祉大学の国際交流を支える学生団体「COCOSA」

東北福祉大学の学生団体COCOSA

── 留学に参加しない学生でも、キャンパス内で国際交流をすることはできますか?

東北福祉大学では、海外に行かなくても国際交流に参加できる機会があります。

その一つが、国際交流サークル「COCOSA(ココサ)」です。COCOSAでは、東北福祉大学に来る留学生の大学生活をサポートしたり、日本人学生との交流をサポートしたりしています。

本学には、交換留学生として毎年延べ30人弱の学生が来ています。COCOSAに所属する日本人学生は、留学生が大学生活や日本での生活に慣れられるよう支えながら、自然な交流を深めています。

活動内容もさまざまで、歓迎会や送別会、お花見、スポーツ大会、秋には東北ならではの芋煮会も開催しています。留学生に日本文化だけでなく、宮城や東北の地域文化を体験してもらう貴重な機会にもなっています。

── 授業の中でも、留学生と関わる機会はありますか?

授業の中でも留学生と日本人学生が一緒に学ぶ機会を設けています。

例えば、異文化理解や異文化コミュニケーションの授業では、留学生と日本人学生がグループで学びながら、多様な価値観や文化について理解を深めます。また、グローバルコミュニケーションの授業では、英語でディスカッションを行う機会もあります。

留学は大きな経験になりますが、実習や資格取得のスケジュール、費用の事情などから、すべての学生が海外へ行けるわけではありません。

それでも、キャンパス内で留学生と交流し、異なる文化や考え方に触れられる環境があります。日常の大学生活の中で自然に国際交流ができることも、東北福祉大学ならではの魅力の一つです。

東北福祉大学の国際交流活動

東北福祉大学からオープンキャンパスのお知らせとメッセージ

── 東北福祉大学の留学制度について知るにはどうすればよいでしょうか?

まずは、大学のホームページにある留学制度の基本情報をご確認ください。 留学先や研修期間、費用などを詳しく記載しています。またオープンキャンパス(事前申し込み制)も実施中です。

オープンキャンパスでは、主に学科ごとの説明が中心になりますが、「留学にも興味があります」と伝えてもらえれば、可能なかぎり英語の先生や教職員が対応します。

高校1・2年生からの参加も大歓迎で、大学の魅力が伝わる企画もたくさんありますので、大学の雰囲気を見てみたい人はぜひ気軽に参加してみてください。

── 最後に、東北福祉大学への進学を検討している方へメッセージをお願いします。

東北福祉大学は、福祉、医療、教育などの分野で、人と向き合い支えるスペシャリストを数多く輩出しています。

国際化が進む日本社会において、これらの分野でも異文化を理解し、多様な価値観を持つ人々と円滑にコミュニケーションを図る力が、ますます重要になっています。

本学では、福祉、医療、教育などの専門領域を学びながら、海外研修や学内での国際交流を通じて、国際社会で活躍するための知識やスキルを身につけることができます。

専門性と国際感覚を兼ね備えた「人と関わるスペシャリスト」へ。

本学で、皆さんの新たな可能性を広げてください。

── 本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

東北福祉大学の基本情報の基本情報

大学名 東北福祉大学
学部 総合福祉学部・健康科学部・教育学部・共生まちづくり学部
所在地(住所) 〒981-8522宮城県仙台市青葉区国見1−8−1
留学プログラム 【長期・中期】協定校交換留学
【短期】海外語学・文化研修プログラム
プログラムの詳細はこちら
その他、学科主導の国際交流プログラム
大学公式HP https://www.tfu.ac.jp/index.html
SNS 大学公式Instagram
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※ 取材時の情報を掲載しています。

【取材後記】東北福祉大学で、専門性に国際経験を重ねる

東北福祉大学のインタビューを通して印象的だったのは、専門分野の学びと留学経験を結びつけ、将来に活かしている学生の姿です。

語学力を高めるだけでなく、海外での経験を通して、福祉や教育など自分の専門分野への理解を深めている点が、この大学ならではの留学の魅力だと感じました。

特に印象深かったのは、短期語学研修の活動が学生一人ひとりの専門分野や興味に合わせてカスタマイズされている点です。留学前には教員が学生の希望を一人ひとり聞き取り、それをもとに受け入れ先と直接調整しながらプログラムを作ると聞き、とても驚きました。

さらに、英語研修には教員の方も同行するそうです。最近は海外に行くことへ不安を抱く人も多いですが、こうした丁寧なサポートがあることで、安心して留学に挑戦できそうです。

福祉・医療・教育・健康などの専門分野を学びながら、海外での学びにも挑戦できるのが東北福祉大学の魅力です。留学に興味がある人は、ぜひ早めに相談し、自分の目標に合ったプランを考えてみてください。

取材日:2026年7月16日
取材/文:永谷 知香
写真提供:東北福祉大学