青山学院大学の留学制度

キリスト教理念を教育の土台とし、幼稚園から大学院までを擁する総合学園である学校法人青山学院。青山学院大学のキャンパスは、東京都渋谷区と、神奈川県相模原市にあります。

今回は、青山学院大学のグローバル教育と留学制度について、国際センター所長のリーディー教授と国際部部長の戸田さんにお話をうかがいました。

学生数約2万人規模ですが、一人ひとりの学生に寄り添う教育を行う青山学院大学ならではの取り組みをご紹介します。

青山学院大学がはぐくむ「世界に仕えるサーバント・リーダー」

青山学院大学 留学 University of Oslo

── 青山学院大学の掲げるグローバル教育の方針を教えてください。

青山学院は、明治初期に米国のメソジスト監督教会から派遣された3人の宣教師が創立した3つの小さな学校を基盤として、今日まで成長してきました。

その長い歩みのなかで、幼稚園から大学院までを擁する総合学園として本学が変わらずに大切にしてきたのが、キリスト教教育、英語教育、国際理解の3つです。

大学においては、研究機関としての「先端教育」という側面も重視しています。

青山学院大学ではこの「キリスト教教育」「英語教育」「国際理解」「先端教育」の4つを通じて、社会そして世界に仕える人材「サーバント・リーダー」を育てることをグローバル教育の方針としています。

学生の多様なニーズに応える青山学院大学の留学プログラム

青山学院大学 留学 Southern Cross University

── 青山学院大学の留学制度の特徴や魅力をうかがえますか?

本学の留学制度の特徴は、さまざまな学生のニーズに合わせたプログラムが用意されていることです。

「短期間だけ海外に行きたい」と考える学生もいれば、逆に「できるだけ長く海外に行きたい」と考える学生もいます。卒業後の進路として、海外大学院進学を希望する学生もいます。

また、近年では中高時代にすでに海外滞在経験をもつ学生も増加しています。こうした学生に対しては、語学力向上からもう一歩踏み込んだ内容が必要です。

そこで、短期留学で言えば語学・文化研修以外に海外インターンシップや、ボランティア活動に従事するプログラムなどが用意されています。

語学・文化研修は、自分の語学力を高める、自分のために学ぶ、という「自分の成長」の意味合いが強いプログラムです。一方でインターンシップやボランティア活動は、自分が学んだことを、現地の人や社会に対して「仕える」ことにつながります。

この点は、自分の成長の先に、他者や社会に仕える「サーバント・リーダー」を目指してほしいという本学の教育理念とも重なります。

青山学院大学 留学 Université de Lorraine

── 長期留学はどのようなプログラムを用意されていますか?

長期留学では、1学期または1年間留学する交換留学制度があります。

青山学院には海外のさまざまな国と地域に約150の協定校があり、留学先で修得した単位が認定され、卒業要件単位を満たせば4年間での卒業が可能です。

学生は自分のニーズに合った行き先を、自由に選ぶことができます。

── 豊富な選択肢のなかから留学先を選べるのは魅力的ですね。留学先を迷う学生には、どのようなアドバイスをされていますか?

あくまで一例ですが、すでに海外での経験が何度かあるような学生には、規模の大きな大学を勧める傾向があります。

学生数が多く、学部の種類も豊富で、さまざまな分野のプログラムがある大学なら、キャンパスの内外で多くの活動に参加できます。学生自身が積極的に動くことで、学びの幅を広げやすい環境です。

一方で「はじめて海外に行く」というような学生には、規模の小さめな大学を勧めることが多いですね。

海外には規模は小さくても、本当に質の高い大学がたくさんあります。リベラルアーツ系の大学が多い傾向にあり、学生一人ひとりに対する面倒見がとてもよいのが魅力です。

たとえば、海外の大学ではサンクスギビングやクリスマスといった休暇期間には大学の寮が閉まることがあります。

大きな大学の場合、寮の閉鎖期間中は旅行に出る、友人宅に居候する、など学生は自力で乗り切るのが普通です。

しかし、規模の小さな大学だと「行くところがないなら泊まっていきなさい」「ディナーだけでも寄っていきなさい」と教授自らが声をかけてくださったり、宿泊先を紹介してくださったりして、学生一人ひとりを本当に気にかけてもらえます。

留学中、授業のなかではもちろん、事務員の方にも名前を覚えてもらえるような安心感は、規模の大きな大学ではなかなか得られません。

はじめて海外で生活をする学生にとっては、そうした環境が向いている場合もあります。

本学では、学生一人ひとりのこれまでの経験や留学目的に寄り添いながら、本人にとって1番合う留学先に導けるようスタッフ一丸となってサポートしています。

── 小規模な大学にはそんなメリットがあるのですね。留学先は、英語圏が中心なのでしょうか?

青山学院はその成り立ちからも、協定校の数はアメリカの大学が最多です。

ほかにもイギリス、オーストラリア、カナダといった英語圏が、長らく交換留学先として中核を担ってきたのは事実です。

ですが現在では、英語で学べる大学は英語圏に限りません。ヨーロッパやアジア、南米など、英語で授業を受けられる大学が世界中に増えています。

青山学院大学 留学 Peking University

「英語は英語圏でしか学べない」という固定観念から離れ、「英語ができれば、世界中のどこでも授業を受けられる」という考え方に学生たちも変化してきています。

実際に学生が渡航先として選ぶ国・地域は、割合で言うとヨーロッパが40%、北米が35%、アジア20%、オセアニア5%となっています。

今後も、一人ひとりの学生や保護者の方のニーズに合わせて協定校の拡充に努めてまいります。

留学生活を支える青山学院大学の奨学金制度

── 留学のための奨学金制度について教えてください。

近年は特に円安の影響もあり、海外留学における渡航費や滞在費が高騰し学生の負担が重くなっている状況です。

青山学院大学では学生が経済状況によって留学を断念することがないように、さまざまなサポートを行っています。

本学ではこれまで、日本に留学に来る学生、つまり受け入れ留学生への経済サポートに重きをおいてきました。しかし近年の円安の状況を受け、本学から派遣する学生に対しても支援を拡充しています。

「青山学院大学産学合同万代外国留学奨励奨学金」や「青山学院国際交流奨学金」など本学独自の奨学金制度に加え、政府や東京都といった公的な支援制度の紹介も積極的に行っています。

奨学金の詳細につきましては、公式サイトで詳しく紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。(留学奨学金

留学相談は国際センタースタッフが全力サポート

── 学生が留学について相談したり、情報収集したりできる場所はありますか?

国際センターが留学相談や情報提供の中心を担っています。スタッフは知識が豊富で、学生のためにさまざまな工夫を重ね、尽力を惜しみません。

留学に関する情報は、学生が新入生として入学した時点から提供しています。資料の提示だけでなく、さまざまな形で対面でのオリエンテーションを実施し、学生からの質問や相談を直接受ける機会を設けています。

実際に大学生活が始まると、学生は新しい環境で学業やサークル活動などで忙しくなるものです。

入学当初に「留学したい」という思いをもっていたとしても、日々の忙しさにまぎれて留学への意識が薄れてしまうのは珍しいことではありません。

そのため本学では、留学に関するオリエンテーションや留学経験者による報告会は年度始めだけでなく、年間を通じて定期的に行っています。学生が忘れた頃に再び情報提供をすることで「そうだ、留学の準備をしなければ」と学生が思い出せる機会となります。

── 留学中の学生に対するサポートはどのようにされていますか?

留学中に限らず、学生生活を送るなかで気持ちが不安定になる学生は少なくありません。

青山学院大学では、こうしたメンタル面でのサポートも重要な支援として考えています。

学内にはカウンセラーが常駐し、青山キャンパス、相模原キャンパスのどちらでもカウンセリングが受けられます。必要に応じてオンラインでも相談が可能です。

カウンセリングは日本語だけでなく、英語でも受けられるので本学に留学に来ている交換留学生もケアすることができます。

本学から派遣している学生が留学先でケアが必要になった場合も、国際センターのスタッフと留学先の協定校とのスタッフが連絡を取り合い、現地で適切な支援を受けられるようにサポートしています。

また、国際センターのスタッフが実際に協定校に赴き、留学中の学生の様子を見に行くことも定期的に実施しています。もちろん、150あるすべての協定校に毎年行くことはできません。それでも可能な限り、現地を訪れることを大切にしています。

協定校を増やして終わり、学生を派遣して終わり、ではなく、青山学院大学の大切な学生一人ひとりに寄り添ったサポートを心がけています。

留学を経験した学生は青山学院大学の「宝もの」

青山学院大学 海外インターン・シドニープログラム

── 留学から帰ってきた学生が、経験を生かせる場はありますか?

留学から帰ってきた学生は、青山学院大学にとって「宝もの」です。

青山学院大学の学生でありながら、海外で貴重な経験をして帰ってくる。その経験は、本人だけのものではありません。留学をしていない学生にとっても、大きな刺激となります。

本学では、留学を経験した学生に留学レポートを書いてもらったり、写真を提供してもらったりしています。それらをウェブ上で共有し、これから留学を考える学生が具体的なイメージを持てるようにしています。

留学から戻ったら終わり、ではなく学んできたこと、体験してきたことを存分に表現してほしいですね。それは必ず、他の学生の刺激となります。同時に、留学を経験した学生本人の「次の学び」にもつながっていきます。

── 留学後、学生はどのようにステップアップしていくのでしょうか?

留学経験者の多くは、一度の留学で終わらせず、さらなるステップアップを目指していきます。

本学ではそのような学生のために、豊富なプログラムを用意して「次の学び」につながる機会を設けています。

たとえば、米国公認会計士USCPAのような国際資格取得につながる講座や、一定の条件を満たすことで、2つの大学や学部などから学位を取得できる「ダブルディグリー」というプログラムを提供しています。

── 就職活動と留学の両立を不安に思う学生にはどのようにアドバイスをされますか?

今では2年生の後期から留学する学生も非常に増えましたが、3年生で留学する場合、学生が不安に感じるのが、就職活動に関することです。

「留学すると就職活動ができない」と悩んでしまうのです。

このような学生には「違う形で就職活動ができる」と伝えるようにしています。

海外留学中は、日本にいる学生とは違う形の就職活動の機会があります。たとえば、海外で開催されるジョブフェアに参加する方法もあります。

留学すると決めた時点で、その学生はすでに他の学生とは違う経験を積む道に進んでいます。ほかの学生と同じ時期に同じ活動をしていないことに不安を感じるのではなく、その経験をどう生かすかを考えることが大切です。

就職活動において、留学はマイナスになるのではなく、プラスの影響につながるということを伝え続けています。

キャンパス内の国際交流の場「インターナショナルコモンズ」

青山学院大学 国際交流1

── 留学をしなくても、キャンパス内でグローバルな視野を育てることはできますか?

大学全体で見れば、留学に行かない学生の方が多いです。

そのため、国内キャンパスにいても英語力や国際理解に触れられる環境を提供することが大切だと考えています。

そうした活動の中心となるのが、青山キャンパスにあるインターナショナルコモンズです。

インターナショナルコモンズは、留学生同士や、留学生と日本人学生の交流を目的とした場所で、自由におしゃべりをしたり一緒に食事をしたりすることができます。また、青山・相模原の両キャンパスでさまざまなイベントも開催しています。

たとえば、グローバルビレッジというイベントがあります。
これは、本学で学ぶ留学生が「アンバサダー(大使)」となり、ブースに分かれて自国の文化紹介をする催しです。

国内のキャンパスにいながら、さまざまな国の文化に触れられることは、留学に行かない学生にとっても大きな学びとなります。

── キャンパス内で英語を使ったコミュニケーションが楽しめる場はほかにもありますか?

チャットルームという場があります。

チャットルームでは、留学生がつとめる「チャットリーダー」と、英語をはじめとする外国語で文字通り少人数の「チャット(おしゃべり)」が楽しめます。

日本の英語教育の長年の課題として、英語を勉強する時間が長く、英語を使う時間が少ない、ということが挙げられますが、チャットルームのような場所を活用して、「英語を使う」体験を増やしてほしいと考えています。

また、チャットルームは青山学院大学に在籍する学生だけでなく、本学の高等部、中等部、初等部の生徒・児童も無料で利用できます。

小さい頃から、さまざまな国の人と接し、いろいろな言葉や文化に触れる。違いがあることを自然なこととして受け止める。そのような経験ができることは、総合学園である青山学院ならではの特徴だと思っています。

── 留学生以外の海外学生と交流する機会はあるのでしょうか?

本学は、協定校から派遣される交換留学生だけでなく、海外大学から短期研修で来日する学生訪問団を受け入れることもあります。

その際には、ランチタイムなどに青学生と交流する場を設けており、学生同士で情報交換をしたり、会話を楽しんだりする機会となっています。

青山学院大学 国際交流2

ほかには、各学部の研究室でも海外インターンシップ生の短期受け入れを行っているところもあります。

その場合、教授の指導は英語が中心になるので、普段は日本語だけで研究をしている学生にとっても大きな刺激となっています。

留学を考える受験生と保護者が知っておきたいポイント

── 青山学院大学の留学制度について、受験生や保護者はどこで情報収集できますか?

大学の雰囲気なども感じていただけるので、オープンキャンパスにぜひいらしていただきたいですね。

留学に関することはもちろん、それ以外の個別相談も受け付けていますし、先ほどお話ししたチャットルームも体験できます。

青山学院大学の留学制度については、「STUDY ABROAD」という留学ガイドブックを毎年発行、配布しています。大学ホームページ上でも全ページ閲覧できますので、ぜひご一読いただければと思います。

──「STUDY ABROAD」は留学制度の紹介から、体験談まで盛りだくさんの内容ですね!受験生や保護者が、特に見ておくべきページがあれば教えてください。

1番大事なのは留学スケジュールですね。

留学は、「いつから何の準備を始めるか」が非常に重要です。いつまでに英語の試験を受ける必要があるのか。どの時期の成績が評価に関わるのか。出願はいつから始まるのか。これらを知らないまま過ごしてしまうと、行けるはずだった留学に行けなくなることがあります。

大学に入学すると、授業、友人関係、サークル活動などで一気に忙しくなります。気づいたときには希望する留学の申込みに間に合わなかった、とならないように留学スケジュールを把握したうえで、早め早めの準備をおすすめしています。

また留学は、学生本人だけでなく、ご家庭にとっても大きな決断です。保護者の方のご理解、ご協力も得られるように、入学後に保護者向けの留学相談会なども設けています。

受験生の皆さんへ青山学院大学からのメッセージ

── それでは、最後に青山学院大学の受験を検討している中高生に、メッセージをお願いします。

青山学院大学 国際センター所長 理工学部 リーディー教授:
青山学院大学では、勉強ももちろん大事ですが、一人ひとりがかけがえのない存在であると考えています。
いろいろな個性があり、この世界は成り立っています。一人ひとりの個性や違いを大切にしながら、青山学院のファミリーとして、充実した学生生活を送れるサポートをしています。
ぜひ受験生の皆さんも、少しでも「留学したいな」と思われたら行動に移してほしいと思います。まず調べる。どうすれば実現できるかを知る。次に何をすればよいのかを考える。
行動することで、自分に合う道が必ず見えてきます。
いろいろと調べていくなかで、「留学には行かない」という選択になるかもしれません。それも立派な道です。
ぜひ思い立ったら行動に移してみてください。

青山学院大学 国際センター 戸田さん:
留学に行きたい学生は海外に行けるように、また、国内で国際交流をしたいという学生はキャンパス内で多様な体験ができるように、青山学院大学では、さまざまな学生のニーズに応えられるよう、たくさんのプログラムを用意しています。
制度を利用するかどうかは学生次第ですが、学生が「利用したい」と思った時により多くの選択肢を示せるよう、今後も努めて参ります。

── 本日は貴重なお話をありがとうございました!

青山学院大学の基本情報

大学名 青山学院大学
学部 ■青山キャンパス
文学部/教育人間科学部/経済学部/法学部/経営学部/国際政治経済学部/総合文化政策学部/統計データサイエンス学環(2027年4月開設予定)
■相模原キャンパス
理工学部/社会情報学部/地球社会共生学部/コミュニティ人間科学部
所在地(住所) ・青山キャンパス:東京都渋谷区渋谷4-4-25
・相模原キャンパス:神奈川県相模原市中央区淵野辺5-10-1
留学プログラム ・協定校派遣交換留学
・協定校私費留学
・認定校留学
・短期プログラム(海外語学・文化研修)
・短期プログラム(海外インターンシップ)
・ダブルディグリープログラム(国際政治経済学部、理工学研究科)
大学公式HP https://www.aoyama.ac.jp/
SNS 大学公式 Instagram
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※ 取材時の情報を掲載しています。

学生一人ひとりの留学したい気持ちを大切にする青山学院大学の取材後記

青山学院大学 青山キャンパス

青山学院大学の留学制度は、豊富なプログラム数と規模を誇り、非常に充実した内容であることが大学ホームページなどからもわかります。

しかし今回、国際センターの方々にお話をうかがい、青山学院大学の留学制度の本当の魅力は、そのサポートにあると知りました。

学生総数2万人以上という大規模大学でありながらも、国際センターのスタッフをはじめとする教職員の方々が学生一人ひとりに寄り添い支えるそのさまは、まさに青山学院大学が育成するサーバント・リーダーそのものであると感じました。

大学に進学してから留学したいと考えている中高生は、ぜひ青山学院大学もチェックしてください。

取材日:2026年7月10日
取材/文:川崎美和
写真提供:青山学院大学