名古屋経済大学の留学制度

名古屋経済大学は、愛知県犬山市にある私立大学です。

アジアの協定校との強固なネットワークを活かした、独自の海外研修プログラムを展開しており、目的や語学力に合わせて挑戦できる留学制度が用意されています。

また、外国人留学生の受け入れにも力を入れています。学内では留学生と一緒に学ぶ環境が自然に整うなど、国内外の双方からグローバルな視野を広げることが可能です。

今回は、名古屋経済大学の留学制度について、国際交流センター長である阪倉 教授と、同センターのブティ・グアンさんにお話を伺いました。プログラムの内容、留学支援金、留学をきっかけに進路を広げた卒業生の姿まで、くわしくご紹介します。

名古屋経済大学が目指すのは「世界とつながる、豊かな国際環境」

名古屋経済大学のキャンパス

── まず、名古屋経済大学のグローバル教育の特徴を教えてください。

本学には現在、約2,200〜2,300人の学生が在籍しており、そのうち500人近くが外国人留学生です。

学生全体の約2割を留学生が占めているため、海外に留学しなくても、キャンパス内でさまざまな文化に触れながら学ぶ環境があります。

また、特徴の一つが、1年次から始まるゼミです。

ゼミは少人数制の授業で、教員1人が10〜15人ほどの学生を担当し、日本人学生と留学生が一緒に学びます。そのため、15人ほどのゼミであれば、3〜4人、あるいはそれ以上の留学生が参加することもあり、日常的に交流することが可能です。

加えて、アジアを中心にさまざまな国の大学と協定を結び、現地で勉強する機会をできる限りつくっています。直接その国の文化に触れ、自分で考え、自分で行動する。そのような経験を重視しています。

名古屋経済大学の海外研修!現地だからこそ得られる経験

名古屋経済大学 フィリピン研修1

── それでは、どのような留学制度があるのか教えてください。

名古屋経済大学の留学制度は、大きく分けて2つあります。

1つは短期の海外研修、もう1つは、半年間または1年間、海外で学ぶ交換留学です。この2つを柱として、留学制度を運営しています。

まず、短期の海外研修は、海外に行くのが初めての学生でも参加しやすいように、大学が独自に企画している研修です。提携先の大学が企画したプログラムに参加するのではなく、名古屋経済大学が研修内容を決め、現地の大学に協力をお願いしています。

教員や職員も一緒に渡航するプログラムもあるため、初めての海外でも参加しやすいのが特徴です。

── 代表的な研修先は、どちらになりますか?

短期海外研修の代表的な研修先が、ベトナムとフィリピンです。

まず、ベトナムには複数の協定校があり、最近の例では、ハノイ大学を訪問し、現地の学生との交流やベトナム語の学習などを行いました。

また、ベトナムは、日本企業の進出が増えている国の1つです。そのため、企業を訪問して経済活動について学ぶ機会も設けています。

このように、研修全体のプログラムは名古屋経済大学が独自に企画し、その中で、学生同士の交流やベトナム語の学習などについて、ハノイ大学に協力してもらう形で実施しています。

名古屋経済大学 JICAベトナム訪問

もう1つの海外研修は、フィリピンで行う環境をテーマにしたフィールドスタディです。現地を訪れ、実際に見たり体験したりしながら、環境について学びます。

研修先は、フィリピンにあるセント・ラサール大学です。例えば、10日間の研修の場合、午前中は大学で英語の授業を受け、午後は大学の外に出て、さまざまな場所を訪れます。

マングローブの森を訪れ、植林活動を体験することもあります。また、地元の農家を訪問するプログラムもあります。

日本に輸入されるバナナの多くはフィリピン産ですが、研修では、実際にバナナを栽培している農家を訪れ、どのように育てられているのかを学びます。訪問先は、一般的な栽培方法ではなく、有機栽培に取り組んでいる農家です。

── とても興味深いテーマの研修ですね!他にも、プログラムはありますか?

このほかにも、短期のプログラムにはさまざまな選択肢があります。

例えば、英語の授業を中心に受ける研修であれば、フィリピンの協定大学で受け入れてもらうこともできます。また、韓国のハニャン大学でも、短期の研修を受け入れています。

もう少し長く海外で学びたい場合は、夏休みや春休みを利用して、約1か月間の研修に参加することもできます。

こうした約1か月間の研修先として、学生に人気があるのがカナダです。

カナダ西部のカルガリーという都市にあるカルガリー大学とは協定を結んでおり、大学が提供する研修プログラムに参加することができます。

また、マレーシアのクアラルンプールにあるAPU(アジア太平洋技術革新大学)という大学でも、約1か月間の英語研修を受けることができます。

名古屋経済大学 韓国留学とカナダ研修

アジア諸国への留学に強い名古屋経済大学の交換留学

── つづいて、交換留学についても教えてください。

名古屋経済大学では、短期の研修だけではなく、半年間から1年間の交換留学も用意しています。

これは、協定校との間で交換留学に関する覚書を結び、その取り決めに基づいて学生を派遣したり、海外の学生を受け入れたりする長期留学です。最近の例では、ベトナムに、半年間の交換留学をした学生がいます。

留学した学生は、名古屋経済大学でも第二外国語としてベトナム語の授業を開講しているため、留学先で取得した単位については、所定の手続きを経て、本学の単位として認定される場合があります。

ほかには、法学分野で中国有数の教育実績を持つ、中国政法大学などへの留学実績があります。

── アジアの大学への留学が充実しているのは、どのような理由からでしょうか?

本学では、グローバル化の時代に合わせて、「グローバルに、とりわけアジアで、活躍する」人材の育成を重視する、という教育目標を掲げてきました。

そのため、留学先となる海外の協定校を考える際も、まずはアジアの国々との関係を大切にしながら、協定を築いてきた歴史があります。

たとえば、中央アジアのウズベキスタンにも多くの協定校があったり、一般的な留学先としては珍しい、カンボジアやモンゴルの大学とも繋がりがあるのも特徴です。

それに加えて、近年はアメリカやカナダ、フィリピンなどの大学との連携も増えており、英語力を高めながら、さまざまな文化や考え方に触れられる点も魅力です。

名古屋経済大学 フィリピン研修2

名古屋経済大学で留学に参加するために必要な語学力は?

── 留学するには、どれくらいの英語力が必要なのでしょうか。

短期の語学研修では、最初から高い英語力が必要というわけではありません。

アメリカやカナダ、フィリピンなどで行う語学研修には、初級から上級まで、英語のレベルに応じたクラスが用意されています。

出発前や研修開始時に、クラス分けのテストを行いますので、その時点での実力に合ったクラスで学ぶことが可能です。

まずは、海外に行ってみたい、現地で学んでみたいという気持ちを大切にしてほしいと思っています。

── 交換留学で必要な語学力については、いかがでしょうか?

交換留学は、大学によって必要な語学力や応募条件が異なります。語学そのものを学びに行くのか、その言語を使って大学の授業を受けるのかによっても違います。

例えば、ハノイ大学でベトナム語を学ぶ場合は、初級からの学習にも対応しています。一方、中国政法大学に留学した例では、中国語で授業を受けています。

高い語学力がなければ、留学に参加できないということではありません。ただ、英語以外の言語で学ぶ場合も含め、初歩的な知識を身につけることは大切です。

名古屋経済大学 ベトナム研修1

── ちなみに、渡航前に言語を学ぶ機会はありますか?

はい、渡航前には現地の言語や文化について学ぶ事前研修を設けています。

例えば、ベトナム研修では、簡単なベトナム語や現地の文化・社会について学びます。国際交流センターが中心となり、内容に応じて教員にも協力してもらいながら、現地での学びを深められるよう準備を進めています。

また、留学までに時間がある学生には、大学の授業を使って準備するようにアドバイスしています。例えば「1年後にベトナムへ行きたい」という希望があれば、それまでの間にベトナム語の入門や初級の授業を受けるといった準備ができます。

現地で何を学ぶのかを考えながら、少しずつ言葉にも触れておく。そのためにも、留学を考えているなら、早めに相談することをおすすめします。

カナダ留学に参加した名古屋経済大学生の成長

── 留学を経験した学生の変化で、印象に残っていることはありますか?

本学の留学制度を利用して、カナダへ留学した教育保育学科の学生がいます。

実はその学生は、入学当初から海外志向が強かったわけではありません。ところが、カナダでの留学経験をきっかけに海外への関心がぐっと高まり、その後は個人でオーストラリア留学へも行きました。

卒業するときに国際交流センターへ挨拶に来てくれて、「大学でのカナダ留学が、私の人生を変えました」と言ってくれて、とても嬉しかったのを覚えています。

── 海外での経験は、卒業後の進路にもつながったのでしょうか。

はい。その学生は卒業後、国内のインターナショナルスクールの先生になりました。将来アメリカへ渡って幼児教育に携わりたいという新たな夢もできたそうです。

大学の制度でカナダへ行ったことが一歩目となり、自らさらに海外へ飛び出し、将来の可能性を広げていきました。

留学で視野が広がり、それがそのままキャリアへと結びついた、象徴的なエピソードだと思います。

留学前後の研修を徹底!支援金も整った手厚い留学サポート

名古屋経済大学 国際交流センター

── 留学準備のサポートについて教えてください。

国際交流センターでは、学部を問わず、大学院生も含めて、「海外に行きたいけれど、自分に合うプログラムがわからない」という段階から、相談を受け付けています。

留学に参加することが決まったあとは、渡航手続きや事前研修などを通じて、海外での生活に必要な準備を一緒に進めていきます。

また、大学主催の研修では航空券の手配を行うほか、海外旅行保険や海外危機管理サービスへの加入案内など、学生が安心して渡航できるようサポートしています。

さらには、帰国後の研修もしっかりと行います。現地で何を学んだのかを振り返るところまでを徹底し、しっかりと学びを整理してもらいたいと考えています。

── 心強いサポート体制ですね!一方で、費用面の支援はありますか?

本学では、海外研修や留学に参加する学生への「留学支援金※」を設けています。

留学には学生自身の負担もありますので、事前の説明会で、どのくらいの費用がかかるのかを説明しています。そのうえで、大学としても費用の一部を支援するという考え方です。

アメリカやカナダの場合は、一定の条件を満たせば20万円を支援します。アジアの国では10万円、ただしベトナムと韓国については5万円です。行き先による費用の違いに応じて、支援額を分けています。

交換留学については、留学先の大学にかかわらず、一律20万円を支援します。

留学支援金を受け取るためには、研修をしっかりと受け、修了証を持ち帰り、報告会にも参加してもらいます。その成果を確認したうえで支援する仕組みになっています。

※ 支援額や条件は年度・プログラムにより異なる場合があります。

留学だけじゃない!学内に広がる異文化交流の機会

名古屋経済大学 国際交流イベント

── 留学以外では、どのような国際交流の機会があるのでしょうか。

本学では、世界15か国から来た外国人留学生が共に学んでいます。一緒に授業を受けるほか、食堂で食事をしたり、イベントを企画したりする機会があります。

また、夏と冬の年2回、日本人学生と留学生が一緒に楽しめる「インターナショナルウィークス」を開催しています。また、犬山市のお祭りや地域のイベントに一緒に参加することもあります。

── インターナショナルウィークスは、どんな楽しみ方ができるのでしょうか?

たとえば、「旅カフェ」という名前で、留学生自身が母国を紹介するイベントを行っています。

旅カフェでは、国の紹介に合わせて、代表的な食べ物や飲み物を紹介することもあります。ネパールの回では、日本の水餃子に似た「モモ」という食べ物や、チャイを紹介しました。日本人学生にとっては、初めて目にしたり、口にしたりするものもあったと思います。

また、ウズベキスタンの回では、留学生が実際に民族衣装を着て、その衣装に込められた意味などを説明してくれました。細かな刺繍や模様が施された衣装は、見ているだけでも印象に残るものでした。

このように、食べ物や民族衣装など、「この留学生の出身国は、こんなところなんだ」と知ることで、学生同士の交流につなげていくイベントを行なっています。

── イベント以外でも、留学生と関わる仕組みもありますか?

日本人学生と留学生が1対1でペアを組む「バディ制度」もあります。新入生の留学生と日本人の上級生がペアになり、交流する仕組みです。

留学生にとっては、日本の習慣や文化を教えてもらう機会になり、日本人学生にとっても、これまで接点のなかった国の学生と交流するきっかけになります。英語が得意な留学生と交流することで、英語を学ぶ機会にもつながります。

このように、まずは学内での身近な国際交流を通じて異文化に触れ、そこから海外研修や交換留学にも興味を広げてもらえたらうれしいです。

名古屋経済大学 国際交流イベント サッカー

名古屋経済大学の今後の展望「学生の気づきを大切にする」

── 今後、大学として国際教育をどのように広げていきたいですか?

学生の可能性や、経験を通して生まれる気づきを大切にしていきたいと思っています。そのためにも、海外で学ぶ選択肢を、これからもなるべく広げていきたいですね。

本学には多くの留学生がいますので、日本人学生も、大学にいながら世界のいろいろなことを学べます。それに加えて、自分自身で海外を経験できる機会もつくっていきたいと考えています。

── では、新たに取り組んでいることはありますか?

今年度から、国際交流センター内に「ユネスコESD推進室※」を設けました。世界で紛争や戦争が起きている中で、平和教育などの考え方が、より重要になっていると感じています。

そうした考え方を、学生や若い世代に広めていきたいと思っています。今後は、この推進室を基に、セミナーや高校に出向いての説明会などにも取り組んでいきたいです。さまざまな形で、国際化を進めていければと考えています。

※ ESDは「持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)」の略称です。

── 最後に、留学に関心がある高校生へメッセージをお願いします。

英語が得意ではないからといって、「自分には難しそう」と最初から決めつけずに、まずはどのような選択肢があるのかを知ってほしいと思います。

情報を調べる入り口としては、本学のウェブサイトをご覧いただければと思います。そのうえで、ぜひオープンキャンパスなどで大学に来てください。留学や研修のパンフレットも用意していますし、国際交流センターで質問していただければ、制度についてお答えします。

留学や国際交流に少しでも興味があるなら、ぜひその気持ちを大切にしてほしいと思います。まずは知ることから始めて、一歩踏み出してみてください。名古屋経済大学での出会いや経験が、新しい世界や可能性を広げるきっかけになることを願っています。

名古屋経済大学の基本情報

大学名 名古屋経済大学
学部 経済学部、経営学部、法学部、人間生活科学部
所在地(住所) 愛知県犬山市内久保61-1
留学プログラム 交換留学、海外語学研修、海外短期研修
大学公式HP https://www.nagoya-ku.ac.jp/
SNS 名古屋経済大学 公式Instagram

※ 取材時の情報を掲載しています。

【取材後記】さらなる国際化を進める名古屋経済大学

名古屋経済大学の旗を持つ学生たち

名古屋経済大学で印象的だったのは、協定校との連携を活かした留学プログラムです。

ベトナムやフィリピンでの短期の海外研修では、それぞれのテーマに沿って現地で学び、個人ではなかなかできない経験を積むことができます。また、カナダ留学をきっかけに、教育・保育の仕事と海外への関心を結びつけた卒業生の姿も印象的でした。

また、今回のインタビューにお答えくださった国際交流センター職員のブティさんは、ベトナムのご出身です。ご自身の留学経験をきっかけに、現在は同大学で学生の支援に携わっています。

海外で学ぶことが、その後の人生や仕事につながる。その身近な先輩が相談窓口にいることは、留学を考える学生にとっても心強いのではないでしょうか。

海外に興味はあるけれど、何から始めればよいかわからない。そんな高校生にとって、名古屋経済大学の環境や、留学制度は新しい一歩を踏み出すきっかけになるかもしれません。

オープンキャンパスに参加した際は、国際交流の様子や大学の雰囲気にもぜひ注目してみてください。なお、名古屋経済大学では、オープンキャンパス参加型入試も実施しています。

取材日:2026年10月16日
取材/文:永谷 知香
写真提供:名古屋経済大学