群馬県高崎市にキャンパスを構える高崎経済大学は、経済学部と地域政策学部の2学部6学科を設置し、群馬県外からも多くの学生を集める公立大学です。
今回は、そんな高崎経済大学のグローバル化の取り組みについて、国際交流支援チームの木村リーダーにお話を伺いました。
充実した留学支援制度や、留学後の学生の様子などを詳しくお伝えしていきます。
高崎経済大学のグローバル教育方針「すべての学生に広い視野を」

── はじめに、高崎経済大学におけるグローバル教育の方針を教えてください。
本学ではグローバル教育を通して、単なる語学力を身につけるだけではなく、異文化を理解し、国際的な視野から物事を考える力を育むことを重視しています。
大学全体としても、グローバル化の推進を大きな目標として掲げており、2017年に国際学科を設置するなど、力を入れて取り組んでいるところです。
国際学科では、カリキュラムのなかに海外研修プログラムが含まれており、すべての学生に何らかの海外経験を積む機会を提供しています。
さらに今後は、国際学科に限らず、ほかの学部・学科の学生にも、広くグローバルな視点を得る機会を提供していきたいと考えています。
1年生から留学に行ける!高崎経済大学の留学制度

── 高崎経済大学にはどのような海外研修プログラムがありますか?
本学の海外研修プログラムは、大きく分けると「短期語学研修」「長期留学」そして「海外ボランティア・インターンシップ・フィールドワーク」の3つです。
海外提携校は現在、16の国と地域に21大学あり、今後もさらに広げていく予定です。
短期語学研修は、語学力向上を目的としたプログラムです。春休み、夏休みといった大学の長期休業期間を利用して参加します。

長期留学は、語学以外の学修の機会として1〜2学期の間、海外大学で学ぶ制度です。本学に籍を置いたまま、海外提携校に留学する交換留学制度があります。
また、留学先を自由に選べる私費留学も可能です。ただし私費留学の場合は、本学は休学扱いとなるため、4年間での卒業はできません。
海外ボランティア・インターンシップ・フィールドワークは、海外で実施される各種活動に参加するプログラムです。学生個人や、所属するゼミ単位で研修先を決定します。
── 学生に特に人気が高い留学先はどこですか?
近年人気が高いのは、カナダのトンプソン・リバーズ大学です。夏と春に3週間の語学研修を実施しています。
自然豊かな場所にある大学なので、勉強の合間に参加するアクティビティも含めて、学生からの人気が高い留学先です。
夏はキャンプや釣り、冬はスキーやスノーボードなど季節に応じてバラエティに富んだ活動が楽しめます。
── 海外プログラムの参加者は国際学科の学生が中心なのでしょうか?
国際学科生のみを対象としたものも一部ありますが、海外プログラムの大半が全学部全学科の学生を対象としています。
本学では国際学科生だけでなく、すべての学生、特に1、2年生の早い時期に留学することを勧めています。
大学生活のなるべく早い段階で海外に出ることで、得た経験をその後の学生生活やキャリアに生かしていけると考えるからです。
── 1、2年生に留学に興味をもってもらうために、工夫されていることはありますか?
新入生向けのガイダンスでは、留学制度に関する詳しい説明だけでなく、1年生から留学に行った先輩学生を招いて、体験談を話してもらっています。
新入生が留学を身近に感じ、「自分も行ってみようかな」と思う気持ちを少しでも後押しできればと思っています。

在学中、何回でも申請可能な高崎経済大学の留学助成金制度
── 海外留学に関する助成金制度について教えてください。
はい。本学では充実した助成金制度を整え、学生の海外留学を支えています。
一例を挙げますと、短期語学研修を対象とした助成金は、語学要件や成績要件はなく、在学中何回でも申請可能です。「2週間以上、週15時間以上の語学プログラムに参加」という条件がありますが、基本的には申請した全員に15万円(東アジア・東南アジア)または25万円(それ以外の地域)が支給されます。
また、英検準1級以上など語学成績優秀者、それから国際学科生専用のプログラム参加者に対しては、別途助成金が支給されます。こちらは在学中1回限りとなりますが、助成金額は最大40万円にもなります。
加えて、株式会社キーテクノロジー様からの寄付金を原資とする留学奨励金もあり、学生によっては資金の自己負担がほとんどない状態での留学も可能です。
さらに本学では、語学留学以外の長期留学、海外フィールドワーク等の活動にも各種助成金を支給しています。
こうした制度をしっかり活用して、比較的時間に余裕のある大学在学中に、留学という貴重な経験を1人でも多くの学生に、そして1回でも多く積んでほしいと考えています。
── 語学成績優秀者の支援が手厚いですね。ちなみに、高校時代に取得した英語の資格も、助成金制度に利用できますか?
はい、利用できます。例えば、高校生のうちに英検準1級を取得していれば、語学成績優秀者向けの助成金制度を利用して1年生の夏休みからでも留学が可能です。
ぜひ早い時期から留学にチャレンジし、意欲的に大学生活を送っていただきたいと思います。
「留学で人生が変わる」後輩を導く留学経験者の言葉
── 留学から帰国した学生が自身の体験を振り返る機会はありますか?
留学に行った学生には、体験記を書いてもらっています。これらの体験記はウェブサイトでも公開しており、ポータルサイトから自由に閲覧できます。
メールアドレスを記載しているので、後輩から直接、留学相談の問い合わせがあることもあります。そんなときは、先輩として相談に応じてあげることになっています。
また、さきほどお話した新入生ガイダンスのような場で、後輩に向けて経験談を話す機会もあります。
これらを通して、後輩への情報提供だけでなく、自分自身の留学の振り返りができます。
── 留学を経験した学生の様子をご覧になって、どのような点に成長を感じますか?
留学の目的として、「語学を学びに行く」を挙げる学生が多いのですが、実際に学んでくるのは語学だけではありません。
学生にとって現地での体験一つひとつが、その後の学生生活や生き方に影響していくことを感じます。
ある学生は、留学先の寮で、寮生同士でトラブルが起きて、急遽仲裁しなければいけない立場になったそうです。
大変だったけれど、そのハプニングがきっかけで、ちゃんと使える英語を学びたい、英語を真剣に身に着けたいと思うようになったそうです。
とても良い経験だったと、本人は話してくれました。
この学生のように、実際に体験したことから、自分で考えを深め、自分で行動していけるようになること。
これこそが留学を経て感じられる、学生の成長だと実感しています。
── 初めての経験だからこそ、得られる気づきも大きいのですね。ほかにも、印象的な学生のエピソードはありますか?
交換留学を経験した学生が、体験談の発表資料の最後のページに、ある言葉を残してくれました。
発表会で留学中に経験した楽しかったこと、苦しかったことをたくさん話した後、まとめとして「留学で人生が変わる」、そして留学経験が「一生の宝物になる」と記していたのです。
この学生が留学で得た経験は、これからの人生にずっと活きていくのだと感じ、私自身もとても感動しました。
すでに卒業した学生ですが、本人にも許可を得て、新入生向けの留学ガイダンスでもこの言葉を紹介しています。
この学生のように、「一生の宝物になる」ような体験をたくさんの学生がしてくれたら、というのが私たちの願いです。

留学を考える学生をサポートする国際交流支援チーム
── 「留学してみたい」と思ったら、まずどこに相談すればよいでしょうか?
私たち国際交流支援チームの窓口で相談を受け付けています。
留学は年に2回、半期に1度募集しているので、特に募集期間中は毎日のように学生が相談に訪れます。
── どのような相談内容が多く寄せられますか?
相談内容はさまざまですね。「海外提携校のプログラムについて具体的に知りたい」という学生もいれば、「とりあえず留学したいのだけど、どうすればいいですか?」という相談をしに来る学生も多くいます。
行き先や目的がまだはっきり決まっていない段階にある学生には、過去に留学に行った学生を紹介して、学生同士で直接話をしてもらうこともあります。
── 留学相談に来るのは1、2年生が中心ですか?
そうですね。1、2年生も多いですが、4年生で留学を希望する学生も一定数います。
本学は在学中何度でも使える助成金制度があるので、就職活動を終えた4年生が「大学生のうちに留学に行きたい」と相談にくるケースが意外と多いですね。
── 留学中の学生へのフォロー体制についても教えてください。
困ったことがあれば、学生から大学に連絡できる体制を整えています。また交換留学に行く学生には、月に2回、定期報告をしてもらっています。
安否確認を含め、本学の学生がどのように過ごしているのかをヒアリングしています。
高崎経済大学のキャンパス内で広がる交流と磨かれる英語力

── キャンパス内での国際交流活動について教えてください。
本学では、英語でコミュニケーションを楽しむ場として「グローバルラウンジ」を2025年度に新設しました。

グローバルラウンジでは学生同士が集まり、気軽に英語でおしゃべりをしたり、ゲームをしたりしています。本学の日本人学生だけではなく、本学で学ぶ留学生たちとの交流の場としても活用されています。
主な運営は学生に任せていて、現在では学生ボランティアがスタッフとして常駐しています。運営スタッフの多くが、留学から帰ってきた学生で「ランゲージパートナー」として、ラウンジを訪れた学生との交流を担っています。
── 語学の授業とはまた違う雰囲気で、リラックスして気軽に参加できそうですね。
はい。授業とは違い「英語が間違っていてもOK」な場です。
定期的にネイティブスピーカーの外部講師を招いていますが、英語レッスンではなく、あくまで英語でコミュニケーションを楽しむスペースとして学生には利用を促しています。
留学前の事前研修や、留学後に英語を忘れないようにラウンジを活用している学生もいますね。
まだ導入してから2年目のグローバルラウンジですが、少しずつ学生の認知度も上がりつつあるので、これから利用者もどんどん増えていくことを期待したいです。
── 留学生と日本人学生が、一緒に受けられる授業はありますか?
2026年度から、英語で日本文化を学ぶ「Fun with Japanese Culture」という科目を開講しました。本学で学ぶ交換留学生向けですが、日本人学生の履修も認めています。
少子高齢化や地域格差といった日本が抱える社会問題から、人気アニメ作品の内容まで、毎回幅広いテーマについて、学生同士のディスカッションを通じて理解を深めていきます。
── 日本人学生が履修する場合、語学力などの条件は設けているのでしょうか?
「英語でディスカッションができるレベル」として、TOEICスコアで表わすと600点程度の英語力を参加の目安としています。
しかし、語学力そのものより、学生同士の話し合いに積極的に参加する姿勢があることの方が大切ですね。
日本人学生にとっては、日本文化を改めて学ぶ機会にもなります。また、英語で学ぶこと、そして外国人学生の視点を知ることが、自分自身が海外に行ったとき、現地の人に英語を使って日本のことを伝える際に役立つはずです。
履修した学生からの評判も良く、今後も同様の講座は続けていきたいと考えています。
高崎経済大学の留学制度について相談できるオープンキャンパス
── 入学前に、高崎経済大学の留学制度について相談できる機会はありますか?
本学で実施するオープンキャンパスを活用していただければと思います。
オープンキャンパスでは、教職員や学生に直接相談できるブースを設けています。また、本学の海外留学ガイドブックも配布しています。
国際交流支援チームの連絡先も掲載していますので、中高生、または保護者の方から直接お問い合わせいただくのも大歓迎です。
ちなみに、通常のオープンキャンパスの定員が早く埋まった際の対策として、キャンパス内で広報担当者が行う「ミニオープンキャンパス」も開催しています。
こちらもぜひご活用ください。
── 保護者からはどのようなご相談が多いですか?
一つは助成金制度に関するご相談です。
本学では、特に支給要件や回数制限を設けていないので、在学中に3回、4回と助成金を得ながら留学が可能なことなどをお伝えすると、驚かれる保護者の方もいらっしゃいますね。
もう一つは、交換留学の行き先についてです。
何人くらい派遣されるのか、どういった勉強をするのか、といったお問い合わせをいただくこともあります。
保護者の方も、高校生ご本人も、どうぞお気軽にご相談いただければと思います。
高崎経済大学から中高生へのメッセージ
── 最後に、高崎経済大学を目指す中高生にメッセージをお願いします。
大学生になったらやってみたいことの一つに「留学」というものがある方には、ぜひ高崎経済大学にいらしていただきたいです。
「英語が苦手」「費用が心配」といった不安もあるかもしれません。
高崎経済大学では、そうした不安が払拭できる環境が整っています。
一歩を踏み出す勇気があれば、「一生の宝物」になる留学体験ができると思います。
ぜひ、高崎経済大学で思いを実現してください。
── 本日は、貴重なお話をありがとうございました!
高崎経済大学の基本情報
| 大学名 | 高崎経済大学 |
|---|---|
| 学部 | 経済学部、地域政策学部 |
| 所在地(住所) | 群馬県高崎市上並榎町1300番地 |
| 留学プログラム | (1)短期語学研修(①国際学科プログラム、②提携校プログラム、③個人検索プログラム) (2)長期語学研修(①交換留学、②認定留学、③派遣留学(準備中)、④個人検索プログラム) (3)海外フィールドワーク等(①海外フィールドワーク、②海外ボランティア、③海外インターンシップ) |
| 大学公式HP | https://www.tcue.ac.jp/ |
| SNS | 大学公式 Instagram グローバル・ラウンジ公式 Instagram |
※ 取材時の情報を掲載しています。
【取材後記】高崎経済大学での留学が「一生の宝物」になる
私は今回の取材で、大学生活の早い段階で行く留学のメリットを強く感じました。
まだ経験も浅く、自分が何をやりたいのか定まっていない時期だからこそ、一歩を踏み出し、自分で「感じる」そして「考える」ことが大切になる。そうした経験は必ず、その先の「行動する」につながる、ということがよくわかりました。
高崎経済大学では、一歩を踏み出す学生の勇気をさまざまな形で支えています。
「一生の宝物」を手にできるかもしれません。
取材日:2026年10月8日
取材/文:川崎美和
写真提供:高崎経済大学





