石川県金沢市にキャンパスを構える金沢星稜大学は、歴史ある街並みと落ち着いた環境が魅力の場所にあり、経済学部、人間科学部、人文学部の3学部が設置されています。
そんな金沢星稜大学の留学制度には、「人文学部の早期留学」と「助成金制度の充実」という2つの大きな特長があります。
とくに人文学部では、早期留学がカリキュラムに組み込まれていて、1年次後半から海外留学を経験することができます。
入学して間もないうちから海外にチャレンジできるプログラムは珍しく、早い時期から留学を考えている学生にとって、注目したい大学のひとつです。
今回は、金沢星稜大学 国際交流課の指江さん、木下さんにお話しを伺いました。
目次
専門性を高めながら、海外にも挑戦できる金沢星稜大学

── はじめに、金沢星稜大学のグローバル教育の方針について教えてください。
金沢星稜大学では、“自分を超える力をつける”を合言葉に、経済学部、人間科学部、人文学部(国際文化学科・国際英語学科)の3学部7学科で専門的な教育を行っています。
各学部では、専門分野の知識を深めるだけでなく、自ら課題を見つけて探求し、自分の力を試しながら成長していくことを大切にしています。また、その過程で他者と協力しながら学ぶ姿勢も重視しています。
とくに人文学部では、「原則として全員が留学を経験する」という目標を掲げています。
さらに、人文学部に限らず、経済学部や人間科学部でも多くの学生が海外で学び、異文化体験や国際交流ができるよう、海外研修や留学制度の充実に取り組んでいます。
「誠実にして社会に役立つ人間の育成」という建学の精神のもと、地域社会や実社会に貢献しながら、国際的な視野と多様性への理解を持つ人材の育成を目指しています。
金沢星稜大学の留学プログラムは大きく3つ

── それでは、金沢星稜大学の留学プログラムについて教えていただけますか?
1つ目は先ほどお話しした長期留学です。人文学部の学生は、原則として全員がこの長期留学に参加できる仕組みになっています。
また、経済学部と人間科学部の学生も、留学先大学が定める語学要件を満たしていれば参加することができます。
2つ目は語学研修です。春休みや夏休みなどの長期休暇を利用して、海外の大学で英語を学ぶ、全学部を対象としたプログラムです。渡航先はアイルランド、オーストラリア、カナダ、フィリピンといった英語圏の大学が中心となっています。
3つ目は海外研修です。内容は幅広く、教職員が引率するプログラムのほか、個人で参加できるインターンシップやボランティアなど、さまざまな選択肢があります。
このように、目的やレベルに応じて選べる3つの枠組みでプログラムが用意されています。
── 海外研修について、詳しい内容を知りたいです。
金沢星稜大学の海外研修では、教職員がそれぞれの専門分野や知見を活かし、学生を引率するプログラムが特徴です。
たとえば「エリア・スタディーズ」では、こども学科の教員がオーストラリアの小学校を訪問し、現地の子どもたちと交流するプログラムがあります。
また、経済学部の教員が、シンガポールや台湾、上海などで日系企業を訪問し、現地で働く日本人から話を聞くといったプログラムもあります。それぞれ専門分野の教員が引率するので、個人旅行では体験できない経験ができます。
一方、「海外チャレンジ!」という研修では、少し異なるアプローチを取っています。航空券やホテルの手配、現地での移動手段の調整などを学生自身が主体となって行うプログラムです。
現在の行き先はタイで、現地の伝統文化を体験したり、協定校を訪問し、現地の学生と交流する機会もあります。職員が各種手続きをサポートするので、初めての海外でも安心してチャレンジできる点が魅力です。

1年次後半から世界へ飛び出す!人文学部は原則全員が早期留学へ

── 金沢星稜大学の留学制度で最も魅力的だと感じる点は、どのようなところですか?
人文学部では原則として「全員が早期留学を経験できる」という制度を設けている点が大きな特徴です。
この制度では、早ければ1年次後半から2年次前半にかけて、全員が約4〜8か月間の早期留学に参加することができます。
さらに、本学はクオーター制※を導入しているため、早い場合は4月に入学後、その年の12月や翌年1月には海外での学びをスタートできます。
※1年間を4つの期間(クオーター)に分けて授業を行う学事暦制度。
留学のタイミングが他大学と異なることも多く、留学先で日本人が比較的少ない環境に身を置ける点もメリットの一つです。
── 早期留学には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
多くの学生が2年生の前半に帰国するため、その後の大学生活に余裕を持って取り組めます。
帰国後は、夏休みや春休みなどの長期休暇を活用して、再度留学に挑戦したり、海外インターンシップに参加したりと、さらに経験を広げることも可能です。
また、日本での学生生活や進路の準備にも時間をしっかり確保できるため、将来の選択肢を広げやすい点も魅力です。こうした流れの中で、4年間を通じて充実した学生生活を送ることができます。
海外で学びたいという強い意欲を持つ学生にとって、早期留学はとても魅力的な制度です。
留学プログラムの参加人数や応募条件について

── 金沢星稜大学では、年間でどのくらいの学生が留学に参加していますか?
2025年は、合計で160名以上の学生が海外研修や留学に参加しました。
内訳は、人文学部の長期留学に約85名、主に英語学習を目的とした語学研修に約10名、海外研修に約65名です。
海外研修参加者にはエリア・スタディーズや海外チャレンジ!だけでなく、授業の一環として海外に行く科目や、インターンシップ、ボランティアなど、さまざまなプログラムへの参加者が含まれています。
── 留学や海外研修に参加するためには、どれくらい語学力が必要か気になります。
留学の選考基準は、プログラムによって異なります。
長期留学では、一定以上の語学力が求められ、主にIELTSやTOEFLのスコアとGPA(大学の成績)が基準となります。語学研修についても、TOEICのスコアとGPAにより基準が設けられています。
一方で、海外研修は初めて海外に行く学生も多いため、プログラムごとに条件は異なりますが、比較的参加しやすいものが多いです。
エリア・スタディーズや海外チャレンジ!、授業科目として海外に行く短期海外実習などは、語学力に不安のある学生も気軽に参加できます。
── では、人文学部の早期留学は、どのような流れで進みますか?
人文学部については、1年生の6月と8月に留学に必要なIELTSやTOEFLなどの試験を受験する機会があります。そのスコアに応じて留学先やコースが提示され、その中から自分で選ぶことができます。
スコアに応じて、学部留学やアカデミック英語、語学研修など様々なコースがあり、今の自分にあった留学が可能です。スコアが高いほど選べる留学先の幅が広がり、基準を満たせば、現地大学で専門分野の授業を履修することも可能です。
このように、自分の努力次第で選択肢が広がっていく点も、大きな魅力です。
金沢星稜大学の国際交流課が細やかなサポートで留学を支援

── 留学に関する相談窓口や、サポート体制について教えてください。
金沢星稜大学は、比較的小規模な大学である強みを活かし、国際交流課が学生一人ひとりに丁寧に向き合いながらサポートを行っています。
たとえば、休学して個人的に留学したい場合でも、相談すれば、留学先の情報提供やビザ取得のサポートなど、できる限り職員が対応しています。
また、人文学部の長期留学は、カリキュラムの一部として制度化されているため、渡航先が決まる前に保護者合同の留学説明会も行っています。
留学先が決まった後は、留学先大学や滞在先の手続き、ビザの申請、航空券の手配、保険の加入、危機管理の準備など、学生と職員が一緒になって進める体制を整えています。
── 一方で、留学から帰国した後のキャリア支援などがあれば教えてください。
まず、留学や海外研修に参加した学生には、全員に報告書の提出と報告会への参加を義務付けています。
現地での経験や学びを文章にまとめるだけでなく、他の学生に向けてプレゼンテーションを行う場も設け、自分の体験をしっかり言語化することができます。
語学研修や人文学部の留学では、これらのプレゼンテーションをすべて英語で行うことになっています。
また、就職活動をサポートする進路支援課では、海外での研修と就職支援を合わせた独自プログラムも展開しています。
たとえば「ほし☆たび」は、船で海外へ渡航し、フェリー内での宿泊研修を通して自己分析やプレゼンテーション力を磨く、洋上型の就職支援プログラムです。
主に1・2年生を対象とし、就職活動を終えた先輩との交流も含めた実践的な内容で、早い段階から就職力を高められる点が特徴です。金沢星稜大学を代表するプログラムの一つとなっています。
独自の助成金制度が留学を後押し!スコア向上で支援も拡大

── 金沢星稜大学では、留学のための助成金のサポートも充実していると聞きました。
はい。留学や海外研修に参加するすべての学生が何らかの支援を受けられるよう、金沢星稜大学独自の助成金制度を設けています。
たとえば、長期留学では、留学先大学の授業料については、大学が全額負担しています。人文学部の長期留学の場合、日本学生支援機構(JASSO)の海外留学派遣制度にも採択されており、一定数の学生が給付型奨学金を受給しています。
また、1か月程度の語学研修では、渡航前と研修後にTOEICを受験してもらい、そのスコアに応じて、渡航前に5万円から15万円を受け取ることができます。
さらに研修後にスコアが伸びた場合には追加支給もあり、最大で合計30万円を受け取ることができるのも特徴です。
夏休みや春休みの休暇期間中に行われる1週間程度からの海外研修プログラムについては、行き先に応じて8万円から12万円が支給されます。
ぜひ、金沢星稜大学の充実した助成金制度を活用し、多くの学生に留学や海外研修にチャレンジしてほしいです。
英語でつながる異文化交流の場「グローバルコモンズ」とは?

── キャンパス内で、英語を使ったり国際交流の機会があれば教えてください。
金沢星稜大学では毎年約20名の外国人留学生を受け入れています。
主に協定校からの交換留学生が中心で、中国、台湾、マレーシア、インドネシアなどアジア圏のほか、ロシアやハンガリーからも留学生が来ています。
これらの外国人留学生と定期的に国際交流イベントを行っているのが、金沢星稜大学の「グローバルコモンズ」と呼ばれる施設です。
メインキャンパスから徒歩5分ほどの場所にあり、2016年に人文学部の設置に合わせて建てられた新しい建物で、国際交流課もここに設置されています。
── グローバルコモンズでは、どのような活動やイベントが行われていますか?
館内には「English Zone」と呼ばれる英語を使うスペースがあり、ネイティブの先生や留学生と会話やゲームなどを楽しめるイベントが定期的に開催されています。
学生たちはここで言語を学ぶことが多く、英語以外にもさまざまな言語を学べるため、興味のある学生たちが自然と集まる場所になっています。
また、学生ボランティア団体「星稜アンバサダーズ」も活動しており、日本人学生と留学生の交流イベントを企画しています。
「やってみたい」と手を挙げた学生が中心となって、ウェルカムパーティーのほか、たこ焼きパーティーや夏祭りなど、自分たちで企画・運営しているのが特徴です。このように学生主体で国際交流をつくり上げていく点も、大きな魅力のひとつです。
金沢星稜大学の国際交流課から留学制度の展望とメッセージ

── 今後、留学制度や国際交流については、どのような点を重視したいと考えていますか?
力を入れていきたいこととしては、1人でも多くの学生に海外を経験してもらうこと、そして日本に来る外国人留学生と交流してもらうこと、この両方を重視したいと考えています。
金沢星稜大学の学生の多くは、県内の各地域や近隣県出身で、親元から通っている学生も多いです。また、北陸という土地柄もあって、海外や異文化に触れる機会が限られているのが現状です。
だからこそ、1人でも多くの学生が在学中に実際に海外や異文化に触れ、「新たな気づき」を得てほしいと考えています。
そのためには、単に留学や受け入れの人数を増やすだけではなく、学生自身が積極的に異文化に関わり、日常の中でも異文化交流ができる環境づくりを大切にしていきたいと思っています。
── ありがとうございます。それでは最後に、中高生に向けてメッセージをお願いします。
木下さん:金沢星稜大学は「自分を超える力をつける」という言葉を合言葉に、学生一人ひとりの挑戦を全力で応援しています。留学や海外研修に限らず、大学生活の中でさまざまなことに挑戦してみてください。
大切なのは、大学に入ることだけでなく、「入学後にどんな経験をするか」です。その経験が、将来の大きな力につながります。「Let’s try anything!」の精神で、ぜひ何にでも挑戦してみてください。私たちも全力でサポートします。
指江さん:金沢星稜大学の人文学部では、初年次教育の一環として、1年生全員が留学できる機会を設ける方針を掲げています。このような取り組みは、北陸の大学の中でも唯一の学部として珍しい特徴です。グローバル化や英語学習に興味がある方は、ぜひ人文学部への進学を検討してみてください。
また、2025年度からは国際英語学科と国際文化学科の2学科体制となり、より多様化する社会に対応した学びの環境も整いました。グローバルな視点や英語に興味がある方にとって、本学での学びは大きな一歩になるはずです。ぜひ進路選択の一つとして検討してみてください。
金沢星稜大学の基本情報
| 大学名 | 金沢星稜大学 |
|---|---|
| 学部 | 経済学部(経済学科、経営学科、地域システム学科)、人間科学部(スポーツ学科、こども学科)、人文学部(国際文化学科、国際英語学科) |
| 所在地(住所) | 石川県金沢市御所町丑10番地1 |
| 留学プログラム | 長期留学(協定留学、認定留学)、語学研修、海外研修(エリア・スタディーズ、Area Studies Advanced、海外チャレンジ!、海外ボランティア、海外インターンシップ、短期海外実習(授業科目)、協定校主催海外研修) |
| 大学公式HP | https://www.seiryo-u.ac.jp/u/ |
| SNS | 金沢星稜大学 公式X 金沢星稜大学 公式Instagram 金沢星稜大学 公式YouTube |
※ 取材時の情報を掲載しています。
早期留学と独自の助成金制度が魅力!金沢星稜大学の取材後記
金沢星稜大学の魅力は、人文学部で早期留学がカリキュラムに組み込まれている点です。
入学後間もない1年生の後半に海外へ出ることで、語学力に加え、環境への適応力や主体性を無理なく養うことができます。
こうした早い段階での経験は、その後の大学生活にも良い影響を与え、「受け身ではなく自ら学ぶ姿勢」が身につきやすい点もすばらしい特徴だと感じました。
また、金沢星稜大学では国際交流課による留学サポートが手厚い点も安心できるポイントです。
留学前の準備から、現地での生活・学習面のフォロー、さらに帰国後の振り返りに至るまで、一貫した支援体制が整っており、留学経験をその後の学びやキャリアにつなげやすい環境といえるでしょう。
もちろん、早期留学を実施する人文学部に限らず、経済学部や人間科学部でも、それぞれの専門性を深める海外研修プログラムが用意されています。
金沢星稜大学のホームページには、学部や留学先ごとに留学体験者のレポートがとてもわかりやすく掲載されています。興味のある方は、ぜひ充実した留学助成金制度とあわせてチェックしてみてください。
取材日:2026年4月15日
取材/文:永谷 知香
写真提供:金沢星稜大学 国際交流課





