「細かい英語の文法ルールがどうしても覚えられない」
「英語文法の勉強が苦手だ」
このように悩んでいる人は、とても多いです。私もかつてはその一人で、中学生の時も高校生の時も、英文法の授業が苦手で大嫌いでした。
半ば本気で「英文法なんて学ぶ必要ない」と思っていました(笑)
でも英語を学びなおす過程で、文法知識の必要性を強く感じるようになり、なんとか文法を攻略できるようになったのです。
英文法を身につけるポイントは、「英文法のルールを『覚える』のではなく、『理解する』ことが大事」という点です。
このことに気づいてから、文法が順調に身につき、その後の英文を読む精度やスピード、そして文法問題の正答率も格段に向上しました。
勉強のし直しには時間がかかりましたが、今思い返しても、一度立ち止まって復習に専念したことは正しかったと言えます。
この記事では私が実際に取り組んだ勉強法をお伝えしていきますので、かつての私のように「英文法が苦手」というような方にもぜひ取り入れていただきたいです。
- 執筆者:Lin
-
小4までアメリカの現地校に通い、帰国後は「英語はネイティブ並みでしょう?」という周囲の誤解とプレッシャーゆえに、英語の勉強から遠ざかった過去あり。中途半端な英語力にコンプレックスを感じ、大人になってから再勉強。英検1級。ケンブリッジ英検CAE。TOEIC910点。さらに英語指導者(TEFL)や児童英語指導者(TEYL)の資格を持つ。プロフィールの詳細はこちら
目次
英文法の勉強はなぜ必要?英語の文法ルールを覚えるメリット
「なぜ、英文法を勉強しなければならないのか。」
学生時代、英文法に苦手意識があり「こんなこと勉強してなんの意味があるの?」と不満しかなかった私が今、たどりついた私なりに感じているメリットをお伝えします。
英語の総合力を効率的に上げられる
英文法を学ぶことで英語の総合力は確実に上がります。
日本語とは異なる文章構造を論理的に理解することで、正しく、そして素早く英文を読み解くことが可能になります。
英語の4技能のなかで、もっとも基礎となるこの「読む」力をまず強化することで、残りの「書く」「聞く」「話す」力も相乗効果で上がっていくのです。
即効性はないかもしれませんが、英語を理解する力は着実に伸びます。
文の構造から意味が推測できるようになる
英文法を理解すると、一部の単語の意味がわからなくても、文章の意味を推測できるようになります。
その理由は、「文の構造」によってその文の意味がある程度決まってくるからです。
中学校の英語授業で「5文型」を学んだことは覚えていますか?
英語の5文型は主語(Subject)、動詞(Verb)、目的語(Object)、補語(Complement)から構成されていて、以下の5つの文型があります。
ネイティブの英語は、もちろんこのような単純な構造ばかりではないですが、日本語とは異なる英語特有の文章構造を理解するには、この基本5パターンを習得することが近道となります。
今回は第4文型を例に、文章の意味を推測できることを解説しましょう。
こちらは第4文型の代表的な例文です。第4文型の構造の動詞は「与える」の類語が入る事が多い、という特徴があります。
先程の例文では「give(与える)」という動詞が使われていますが、この単語の意味を知っている人は多いでしょう。
ただ、たとえ「give」の意味を知らなかったとしても、「第4文型の構造の動詞は『与える』の類語が入る事が多い」という知識さえ知っていれば、文全体の意味を捉えることができます。
他の例文も見てみましょう。
- He paid her his respect.「彼は彼女に敬意を( )」
- My father send her a letter.「私の父は彼女に手紙を( )」
- They offer me a good job.「彼らは私に良い仕事を( )」
ここで使われている動詞「paid」「send」「offer」はそれぞれ辞書で調べると「払う」「送る」「提供する」などの訳がでてきます。
ですがこれらの意味を知らなくても「与える」という言葉を当てはめればある程度意味が通じますよね。
このように、動詞の意味がわからない、または曖昧であったとしても、第4文型の構造が理解できてさえいれば文章の意味をとることが可能になります。
この「文章の意味をとることができる」というのは、実際のコミュニケーションで非常に役立ちます。
「5文型なんて受験英語でしょう?」とかつての私のように毛嫌いせず、英文をみたら「これはどういう文型かな?」と英文構造に注意を払うようにしていくと英文そのものへの理解がさらに深まるでしょう。
日本語との違いを知り、英語特有の感覚をつかめる
日本語と英語は長い間、お互いにまったく交わることなくそれぞれ発展してきたため共通項が非常に乏しい言語です。
私が特に違うと感じるのが「時」に関する感覚です。英語では日本語で表現するよりもずっと細かく、そして自然に「時」を表します。
「I want my hat back」という絵本で見てみましょう。
出典)Amazon | I Want My Hat Back
このお話は発売当時からイギリスの書店でも売れ筋で、私の子供も大好きでした。現在では日本でも、絵本作家 長谷川義史氏による訳本が出版されています。
題名「I want my hat back」とあるように表紙のクマが、なくしてしまったお気に入りの帽子を探しにいくストーリーです。
クマは、森で出会う動物たちに次々とこのように聞いて回ります。
「Have you seen my hat?」
「あなたはこれまでに、私の帽子を見たことがあるか?」と現在までの経験を問う現在完了形が使われています。
絵本向けに意訳すれば「ぼくの帽子みた?」になるでしょう。(長谷川氏の訳では関西弁で「ぼくのぼうし、どこいったん?」となっています笑)
文法的には、過去の状態・動作を表す過去時制を使うことも間違いではありません。
「Did you see my hat?」
こちらも日本語に訳せば「ぼくの帽子みた?」となるでしょう。
しかしここで圧倒的にふさわしいのは現在完了形を用いた「Have you seen my hat?」なのです。
クマが自分の大切な帽子を追いかけて、新しい手がかりを求めて、たくさんの動物たちに聞いて回り、そして少しずつ核心に近づいていく様子をより的確に表すのは「過去のある時点での状態・動作」を表す過去時制ではなく、動物たちの「現在までの経験」を表す現在完了形なのです。
この「時」に対する感覚は、日本語話者と英語話者では温度差があります。日本語は英語ほど「時」に対してこだわりを持ちません。
「Have you seen my hat?」も「Did you see my hat?」も同じ「ぼくの帽子みた?」という日本語訳で違和感を覚えないでしょう。
英文法の理解を深めることで、こうした英語と日本語の間にある違いを「知り」そして「感じる」ことができます。今まで漫然と目にしていた英文を、その機微まで理解できるようになるでしょう。
英語の文法がどうしても覚えられない!文法を覚えるのが難しい理由
繰り返しますが、私は学生時代英文法がとても苦手でした。英語指導者資格を持つ今でも、恥ずかしながら英文法の解説をする際は2、3種類の英文法書を手元に置いて、いつでも参照できるようにしています。
ではなぜそこまで英文法に苦手意識を持ってしまったのか…。私の経験も踏まえて、文法を覚えるのが難しい理由を解説します。
英語の文法用語が難解
文法用語は日常的に使わない言葉も多いですよね。用語の意味にとらわれて、肝心の法則が頭に入ってこないことがよくありました。
今でもよく覚えているのが中学で習う「不定詞」です。
不定詞の名詞用法、形容詞用法、副詞用法、と解説されても「そもそも不定詞ってなに?」「準動詞ってなに?」と言葉の意味がわからずまったく授業の内容についていけなかったのです。
私の通っていた学校の授業では、文法用語そのものの解説に時間をとることはあまりありませんでした。
今から思い返すと、しっかり予習しておけば済んだ話なのですが当時中学生だった私は「英文法わからない」「難しい」と一気に英文法嫌いになってしまいました。
文法用語の理解に時間をとられることは無意味ですが、授業がわからなくなるのは困りものです。教科書の解説が理解できるレベルの最低限の知識は必要だと痛感しています。
実際に英文法の知識が役立つのか実感しにくい
知識は実生活で役立って初めて、学ぶ意義が実感できます。学ぶ意義が実感できると、学習意欲も自然と高まるものです。
外国に行って、日本語を話さない相手とでも英語でコミュニケーションをとれたら楽しいですよね。
自然と「英語を勉強していて良かった!」「もっと勉強しよう!」と思いませんか?
ところが「英文法を勉強していて良かった!」と日常生活で強く実感することは、受験勉強以外ではあまりないのが現実です。
これは英文法の知識が、実際のコミュニケーションと結びついていないためです。
英文法の知識は、英語の力そのものを根底から支えてくれる、いわば土台のようなもの。表だって目立つことはありませんが、確実に英語力を下支えしてくれます。
英文法の学習をする際は、ぜひ意識的に「この英文法は実際のコミュニケーションではどう用いられているか?」という視点をもってみてください。
効率よく英文法を覚えるコツ!学び直しは中1から順番に
それではどのように学習していけば、効率よく英文法を身につけられるかを考えていきましょう。
日本人で「英文法が苦手」という方の多くは「英文法の知識がない」のではなく、「英語を文法的に解釈するのに不慣れ、もしくは苦手」というケースだと思います。
日本の中学校や高校で教える英文法は、他国の英語教育と比較しても格段に高度です。もう忘れてしまった、という場合でも学び直せば思い出せるでしょう。
まずは焦らず、以下の点に注意しながら中1レベルから順番に文法ルールを見直していきましょう。
英文法を学び直すポイント
- これまでに習った英文法のルールを思い出す
- 例文を使って英語を文法的に解釈する練習をする
- 英文の「意味」ではなく、「構造」を理解する
以下に中学校と高校、それぞれで学ぶ英文法の単元を挙げていきます。
中学生で学ぶ英文法一覧
文法項目 | 内容 |
---|---|
名詞 | 単醜形、複数形 |
代名詞 | I、my、me、thisなど |
be動詞 | be、am、areなど |
一般動詞 | be動詞以外の動詞 |
三人称単数現在形 | 三人称・単数・現在の場合動詞の語尾にsをつける |
前置詞 | 日本語の「て、に、を、は」にあたる。 in、at、onなど |
副詞 | 名詞以外を修飾する so、always、veryなど |
形容詞 | 名詞を修飾する interesting、kindなど |
疑問詞 | what、who、how、where、when |
現在進行形 | be動詞+~ing |
過去形・過去進行形 | 動詞を過去形にする |
5文型 | 英語の5つの文型 |
助動詞 | can、may、mustなど |
受動態(受け身) | ~される 主語+be動詞+過去分詞 |
比較級 | 2つものを比較する I am taller than him. |
最上級 | 最も~だ Tokyo is the largest city in the world. |
不定詞 | to+動詞の原形 |
倒置法 | 語順を入れ替えて強調する |
現在完了 現在完了進行形 |
have+過去分詞 have+been+過去分詞 |
仮定法 | ~だったら If+過去形 |
現在完了進行形、仮定法などの単元はかつては高校英語の範囲でしたが、新学習指導要綱により中学校の学習範囲となっています。
高校生で学ぶ英文法一覧
高校生で学ぶ英文法は中学での知識を土台とし、より深めていくものになります。
新しく学ぶ単元としては以下のものがありますが、中学生でも先生の方針によっては既習なこともあるでしょう。
文法項目 | 内容 |
---|---|
過去完了 | 完了、経験、継続を表す had+過去分詞 |
原形不定詞 | to が省略された不定詞 S+V+O+動詞の原形 |
関係副詞 | 副詞と接続詞の役割をする when、where、why、how |
話法(直接/間接) | 直接話法:” ”を使い言葉をそのまま伝える 間接話法:伝達内容を話し手の言葉に言い換える |
分詞構文 | 動詞+ing や 動詞+ed で文を修飾 |
willの用法 | 未来、意志、習慣、推量 |
より深い文法知識を持つことで、より正確に英文を読み解んだり書いたりできるようになります。
それではいよいよ次項より、具体的な勉強方法をお伝えしていきましょう。
英語の文法を効率よく身につける勉強法
ここでは私が実践した具体的な勉強法をご紹介します。
「英文法の覚え方」を知りたい人が多いですが、文法の法則を覚えることに意識が集中すると、うまく身につきません。
英文法の細かいルールを「覚える」のではなく、「理解」することを目指しましょう。
例文を暗記して理論を頭にいれる
中1英語の教科書は、まずbe動詞と一般動詞を学びながら、日本語とは異なる英文の構造を理解することから始まるのが一般的でしょう。
そこには英文構造を理解しやすくするために、例文が載っています。
例:I am Ken
まずはこの例文を覚えましょう。
大切なのは「主語S+be動詞+補語C」という英語特有の文章構造を理解するための例文として覚える、ということです。
理解すべきなのは「私はケンです」という日本語を英語で表す場合、「I(=主語)」のあとにすぐ「am(=動詞)」がきて「Ken(=補語)」がくるということなのです。
決して「I am Ken」は日本語で「私はケンです」という意味ですよ、ということを習得したいわけではありません。
私が中1当時にやってしまった最大の過ちは、ここでした。
つまり学ぶべき理論を丸無視し、「”I am Ken”は”私はケンです”という意味でしょ?なんて簡単なことを教科書は書いているのだろう!」と鼻で笑ってしまったのです。
賢明なあなたは同じ過ちをせず、シンプルな例文を「日本語とは異なる文章構造を理解するための例文である」という意識をはっきり持った上で、ぜひ覚えていただきたいと思います。
また一歩進めて「自分で例文を作ってみる」ことにもぜひチャレンジしてみてください。後の「英作文」につながっていきます。
英文法の練習問題を解く
英文法の理論を理解したかどうかチェックするのに最適なのは、問題を解いてみることです。
まずは教科書やテキストの学習単元ごとに必ず載っている練習問題を解いてみましょう。よりハードルが低いのは、一から英語を書く必要のない「並べ替え問題」や「穴埋め問題」です。
答えが間違っていた場合は解説を読み、理解できればOKです。大切なのは習得すべき理論を「理解できたか」ということ。
繰り返しになりますが今大事なことは「例文の意味がわかるか」ではありません。「例文の文章構造が理解できるか」です。
第三者に文法の説明をしてみる
理論を理解し、練習問題も解きました。次にするべきは「人に説明してみる」ことです。
英文法に限ったことではありませんが、自分が本当に理解していないことを、人にわかりやすく説明することはできません。
学生さんであればクラスメートに、社会人であれば英語の勉強仲間や講師に、自分が理解した(と思っている)英文法を説明してみてください。
「こういう場合はどうなの?」と思ってもみない質問がでてきたりして、たじろぐかもしれません。
でもそれは学びを深めるチャンス。もう一度教科書や文法書に戻り、説明できるように復習しましょう。
「説明をする相手がいない」場合は、文法問題の解説を一人で声を出して説明するだけでも効果的です。
「ここはどうしてこの答えになるのか」ということを、相手がいると想定して説明してみましょう。
英文法の例外を確認する
「英語の文法は規則が大雑把で例外が多い」とよく言われます。私もそう思います。
あくまで個人の感覚ですが、文法的に解析できる英文など口語表現の場合7割もあるかどうか怪しいものです。
本来の規則で言えばこう表現するが、この場合はあえてこの表現になる、という英文のストックをたくさん持つ。
それこそが豊かな英語力につながっていきます。
自分でノートに英文を作ってみる(=英作文)
教科書の例文を覚えることで英語特有の文章構造を理解したら、自分でも文章を作ってみましょう。
この段階では、これまでに習得した英文法を駆使して、できればより複雑な文章構造にチャレンジすることをおすすめします。
その際、ネイティブの英語指導者に添削を受けられるとベストです。なぜなら「文法的に間違いがない文章=正しい文章」ではないからです。
私たちノンネイティブは、「文法的に間違いがない英文=正しい英文」と思い込みがちですが、そうではないことは母語である日本語で置き換えるとわかりますよね。
文法的には間違っているけれど日常的に使用する表現(ら抜き言葉など)があります。また親しい友人に対して、職場の上司に話すような口調では「不適切」になります。
英語も同じです。その場その場でふさわしい表現があり、それは日常的にその言語に触れている人間でなければわからない、繊細な機微があります。
よく「読み書きは問題ないのだけど、聞くのと話すのが苦手で……」という日本人の方とお会いするのですが、私自身も含め日本語話者がもっとも不得手なのは「書く」ことだと実感しています。
同じアウトプットでも反射的に行う「話す」とは違い、「書く」はなまじ推敲する時間がある分、文法的な「正しさ」を追求しすぎ、「適切さ」をおろそかにしてしまうのでしょう。
中学生・高校生の場合は英作文専用のノートを一冊用意し、学校の先生に添削をお願いしてみてください。
その際「この文型を使ってみた」「この文章構造を意識した」ということも一緒に伝えると、先生も添削がしやすくなり、より的確なアドバイスを得られるでしょう。
社会人の場合は、オンライン英会話などを活用するのも手です。「この表現は文法的に正しいか?またこの場面において適切か?」という視点で添削をお願いするとよいです。
その際「よりふさわしい表現」まで指導してもらえるとベストですね。「正しい」文法を踏まえた上で「適切な」表現を学ぶ。この段階を目指しましょう。
オンライン英会話で英作文添削を依頼したい場合、個人的におすすめするのは、講師陣のレベルに定評があるベルリッツです。
「添削者は英語を母語とする人ならば誰でも良いのでは?」と思われるかもしれません。会社のプレゼン資料のチェックならば、同僚のネイティブスピーカーにお願いするので充分でしょう。
でも英語学習のための英作文添削は、語学指導のプロが最適です。
間違いを指摘するにしても「なんとなく」ではなく、きちんと理由を説明し、そしてより良い英文へと導いていけるのは、やはり経験値の高いプロ講師でしょう。
ちなみに「Google翻訳を英作文の勉強に使えるか?」という質問を受けることがありますが、私はおすすめしません。以前より精度は上がっているものの直訳や誤訳も多く、何よりお手本として真似したい文章ではないからです。Google翻訳は「英語で書いてある内容をつかむ」ためにはとても便利ですが、英作文の練習には不適切と考えます。
英語の文法を覚えるのに役立つおすすめの教材
本来、文法ルールは理解するものであって、丸暗記するものではありません。
とはいえ多少は暗記も必要な部分があります。ここでは、英文法の基本事項を頭にいれていく際に活用したい教材(アプリ、参考書、YouTube)をご紹介していきます。
覚えやすいおすすめの英文法アプリ
用意する教材として一番手軽なのはスマホアプリです。
スマホアプリのよいところは、参考書のように荷物が増えることはないので、教材をいつでも手元においておけること。
英文法の練習問題をする場合、5分あれば十分ですから、通勤通学のスキマ時間を使って勉強できます。
また、スマホアプリならゲーム感覚で英文法の知識を勉強できるものもあるので、楽しみながら学べるというメリットもあります。
「学生時代に習ったことを思い出したい」「手軽に英文法の勉強を始めたい」という方は、アプリから始めてみるとよいでしょう。
英文法の勉強におすすめのアプリを紹介するので、どのアプリがいいか迷ったら、こちらを参考にしてください。
早打ち英文法(無料)
現役の中学生・高校生や、中学・高校英語の学び直しをしたい方におすすめなのが、早打ち英文法です。
このアプリは、中学・高校レベルの英文法をゲーム感覚で復習できます。
問題のパターンも「整序英作」「空所補充」「スペル入力」といったようにいくつか種類があり、いろいろなアプローチで英文法が学べます。
無料でありながら1,718問題という豊富な問題数を用意。繰り返し学習できる仕組みになっているので、問題を解くうちに自然と文法が身についていきます。
何からはじめたらいいかわからないという方は、一旦こちらのアプリから始めるといいと思います。
アプリ名 | 早打ち英文法 |
---|---|
運営会社 | Gakko Net Inc. |
料金 | 無料(広告非表示版は490円(税込)) |
レベル | 初心者 |
対応端末 | iPhone(iOS) Android (Google Play) |
特徴 | 中学・高校レベルの文法をゲーム感覚で楽しみながら復習できる。 |
iPhone版アプリのダウンロード
Android版アプリのダウンロード
Duolingo(無料プラン・有料プランあり)
日本だけでなく、世界中で人気の言語学習アプリDuolingoも、英文法の勉強におすすめのアプリです。なんと世界で一番ダウンロードされている外国語学習アプリなんです!
英文法の勉強だけでなく、リーディング、ライティング、さらにはスピーキングの練習までできてしまいます。
人気の秘訣は、やる気を引き出すゲーム性の高さや、可愛いキャラクターにあります。
アプリそのものは無料でも利用できますが、広告をなくしたい場合や、機能の制限に邪魔されたくない場合は、有料プランのSuper Duolingoを利用するとよいでしょう。
アプリ名 | Duolingo(デュオリンゴ) |
---|---|
運営会社 | Duolingo, Inc. |
対応端末 | iPhone(iOS) Android (Google Play) |
料金 | 基本無料 Suoer Duolingo 月額$6.99(広告の表示をなくしたい人向け。基本的には無料のままで使えます。) |
おすすめポイント | 楽しいビジュアル、操作方法が簡単、苦手問題の繰り返し出題、ログインボーナスあり |
これだけあればOK!必要な英文法を網羅した参考書
英語を学習する以上、やはり一冊は持っておきたいのが英文法の参考書です。
英文法の参考書は、必要なときに見返せるよう、全文法事項が網羅され一冊にまとまったものをおすすめします。
マーフィーのケンブリッジ英文法(初級・中級)【初学者~中級者向け】
「マーフィーのケンブリッジ英文法(初級・中級)」は、参考書と練習問題が一冊になった、初学者からでも使えるおすすめの本です。
見開きで左側に重要文法事項の解説、右側に練習問題があるので、文法ルールが頭に入ったかどうかチェックしやすい作りになっています。
日常生活で実際によく使う必要表現が例文として多く使われていて、法則が頭に入りやすいのもよいポイントです。
中級者以上であれば、英語版の参考書を使うのもよいでしょう。
文法用語の使用も最小限に抑え、例文中心で解説しているので、「文法用語が難しすぎて中学校の英文法の授業で挫折した」という方には最適な参考書です。
私自身は、この参考書に出会って初めて英文法を理解したと思えるほどです。初級編と中級編があるので、レベルに合わせて購入するとよいでしょう。
書籍名 | マーフィーのケンブリッジ英文法(初級・中級) |
---|---|
価格 | 3,080円(参考価格) |
発売日 | 2021年2月22日 |
著者 | 渡辺雅仁 (著), レイモンド・マーフィー (著) |
出版社 | Cambridge University Press |
おすすめポイント | 世界的に人気のグラマー本の日本語版。第4版は音声ダウンロード用のアクセスコードつき。 |
「マーフィーのケンブリッジ英文法(初級)第4版」の購入はこちら
「マーフィーのケンブリッジ英文法(中級)第4版」の購入はこちら
英文法解説【中上級者向け】
初版1953年の英文法書の定番中の定番ともいうべき王道の参考書です。
第一章から順番に読む、というよりは文法上わからないこと、曖昧なことがあったときに調べる辞書として用います。
英語、日本語ともに一定の語彙、文法知識をもつ中上級者向けの本です。
英語と日本語の違いを踏まえ、日本語話者が陥りやすい間違いを解説してくれるので、とてもわかりやすいなと思いました。
私が初めてこの参考書を手にした時は小学生でした。
それまで生活していたアメリカから帰国し、英検を受けようと過去問を開いたもののいきなり「5文型」がでてきて面くらってしまったのです。
そして親に泣きついたところ父に手渡されたのがこの本の初版でした。
当時は書かれている内容がまったく理解できませんでした。小学生には難解過ぎて、英文法以前に解説の日本語が意味不明だったのです。(今思うと、小学生の娘にこの参考書を渡す父のセンスを疑うのですが……)
しかし成長と共に英語を勉強し直していく過程で、この本を手に取ることが増えました。
今どきの参考書にありがちな漫画やキャッチーなフレーズもなにもない、図式すらない、素っ気ないまでに簡素で実直な解説が実に明快なのです。
個人的なおすすめポイントは索引です。「動名詞」「過去時制」といった文法事項から引くこともできれば、「no less than~」といった語句からも引くことができます。各章には詳しい解答・解説付きで練習問題があるので、英文法の知識の定着には申し分のない参考書です。
書籍名 | 英文法解説 |
---|---|
価格 | 1,870円 |
発売日 | 1991年6月1日 |
著者 | 江川 泰一郎 |
出版社 | 金子書房 |
おすすめポイント | 英語上級者、通訳・翻訳家、英語講師なら持っておきたい1冊。余計な装飾はなく、必要なことだけがギュッと詰まった内容となっている。 |
動画でわかりやすく解説!YouTubeチャンネル
英文法の解説動画は数多くありますが、自分のレベル(=自分が今知りたいことが解説されているか)に合ったものを探すことが大切です。
以前中学生の娘が「5文型がまったく理解できない」「教科書の意味さえわからない」と言ってきたときに探し、もっともわかりやすいと感じたYouTubeチャンネルをご紹介します。
吉田塾チャンネル【英語学習法&スラッシュリーディング】
吉田塾チャンネルが運営するチャンネルで、上記の動画では重要文法事項を5分で解説してくれます。
この動画の内容がわかれば、教科書や参考書を読んでも理解できるでしょう。
無料で利用できる学習サイト
英語学習に特化したサイトは個人のブログも含め多くあります。ここではおすすめしたい2つをご紹介します。
東京外国語大学言語モジュール(文法の基礎:全体コース)【初学者向け】
東京外国語大学言語モジュール(文法の基礎:全体コース)は、東京外国語大学大学院がインターネット上の語学教材として研究・開発したプログラムを、無料で提供しています。
特徴的なのは極力文法用語を使っていない点です。たとえば、Lesson18を見ると、「Lesson18:「(いま)~しているところです」の表し方」という表現を使っていますね。
この表現は文法用語でいうと、「現在進行型」の表現ですが、こちらのサイトではこの文法用語で目次をつくっていません。
そのため、文法用語アレルギーのある方、また小学生などでも抵抗なく取り組めるでしょう。
英文法大全【社会人向け】
英文法大全 – 英文法 英語 文法 表現 用法 英語学習は、翻訳事業をてがける企業が管理するサイトです。
英文法の基本事項が網羅されていて、大変よくまとまっています。
ただ単に英語を読み解くための英文法というだけでなく、よりふさわしい日本語に直すときに持っていたい視点などへの示唆も多く、勉強になります。
テストで得点するための英文法から一歩踏み出し、実生活で活用できる英文法を学び直したい社会人の方に活用してほしいサイトです。
英語の文法に関するよくある質問
- 英文法と単語では、どっちを先に覚えたらいいですか?
- 英語初学者の場合は、まず単語数を増やすことを優先させましょう。
ある程度の語彙数がないと文章構造を理解するに至りません。身のまわりのものを表現する最低限の名詞、動詞、そしてそれらを修飾する形容詞、副詞を中心に学びましょう。
中級者以上であれば、ある程度英文法の知識があることで、初見の単語であってもその文章における役割から意味を推測することが可能になります。(英単語の覚え方) - 英会話の文法はどこまで覚える必要がありますか?
- 実際に会話をしているときには、英文法を気にしすぎる必要はないでしょう。
会話表現というものはもっとも変化が激しく、現在普通に使われている表現でも実は文法上は正しくない、ということは英語であれ日本語であれ日常的に見られます。
「日本人が英会話が苦手なのは文法上のミスを恐れすぎるから」などと言われることも多いですよね。意思疎通を妨げるほどでなければ、文法は気にせずどんどんコミュニケーションをとるほうが総合的な英語力アップにつながります。
ただし、会話をしているなかで「今のは習性・習慣を表すwillだな」と、これまでに学んだ文法知識と、実際のやり取りを結びつけることはとても大切です。
【まとめ】英文法の知識を実際のコミュニケーションと結びつける
この記事では英文法を学ぶメリット、そして勉強の仕方のコツについて書いてきました。
日本人はとても豊富な英文法知識を学校で学びます。
でも、残念ながら実際のコミュニケーションには活かせていない人が多いのではないでしょうか。せっかくの知識を活かさないのはもったいないですよね。
社会人の方は中学生のとき、高校生のときに学んだ英文法をこの機会に「思い出して」みましょう。
そして今、まさに学校で英文法を学んでいる学生の方は、「目先の受験を突破するためのもの」と思い込まず、ぜひ長い目で知識を身につけていってください。
英文法の知識は英語をより深く理解するために、必ず役に立ちます。
ぜひ実際のコミュニケーションとつなげて、英語全体に対する理解を深めてみてください。
きっと今よりもっと英語が好きになると思いますよ!