「帰国子女でも英語を忘れるって本当?」
「子どもは今こんなに英語が上手なのに、日本に帰ったら話せなくなっちゃうの?」
英語圏からの帰国子女は英語が堪能であたりまえです。
そして同じくらいあたりまえなのが、日本に帰ったら英語が話せなくなること。
小学生、特に低学年の子どもはその傾向が顕著です。
この記事では、元・帰国子女であり、また帰国子女の親の立場でもある私の経験を交えながら、帰国子女の英語力の維持方法についてお伝えしていきます。
帰国直後から数十年後まで、どのように帰国子女の英語力が変わっていくのか。
どのようなサポートが必要なのか。
失敗談も含めてお伝えしていますので、「子どもの英語力を保持させたい」と望んでいる保護者の方には、ぜひ読んでいただきたいです。
帰国子女の親として避けたいNG行動も挙げていますので、あてはまるところがないか一度チェックしてみてくださいね。
子どもがせっかく身につけた英語力。キープするだけでなく、さらに向上させていけるよう、親にもできるサポートをしていきましょう!
- 執筆者:Lin
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小4までアメリカの現地校に通い、帰国後は「英語はネイティブ並みでしょう?」という周囲の誤解とプレッシャーゆえに、英語の勉強から遠ざかった過去あり。中途半端な英語力にコンプレックスを感じ、大人になってから再勉強。英検1級。ケンブリッジ英検CAE。TOEIC910点。さらに英語指導者(TEFL)や児童英語指導者(TEYL)の資格を持つ。プロフィールの詳細はこちら
目次
小学生の場合ほとんどの帰国子女は英語を忘れてしまう
私自身は数十年前、親の仕事の都合で渡米し10歳で帰国した元・帰国子女です。また数年前、配偶者の仕事の都合で家族で渡英し、娘が6歳のときに帰国した帰国子女の親でもあります。
私自身、また周りの知人・友人の経験から言えば、「帰国子女でも英語を忘れてしまう」ことは現実にありえます。
在外中、現地人と間違われるほど流暢に英語を話していたのに、なぜ帰国してしまうと子どもは英語を忘れてしまうのでしょうか。
使わない言葉が衰えるのはあたりまえ
早ければ帰国後1ヶ月、遅くとも3ヶ月もすれば、子どもの口から出てくる英語はたどたどしくなります。
1年後には、かつて楽しんで見ていた英語のテレビも映画も、見向きもしなくなるでしょう。
代わりに「今」通っている日本の学校や友だちの間ではやっているバラエティ番組、YouTubeなどに子どもは夢中になります。
親としては「もったいない」気がして、ちょっとがっかりするかもしれません。
しかし海外へ渡航した直後も、同じように子どもは「今」に適応して、現地の言葉を身につけたはずです。
日本に帰国して、また同じことが起きている。ただそれだけで、とても自然なことなのです。
英語が拙くなったからといってがっかりする必要はありませんし、ましてや子どもや親の「努力不足」ということでもありません。子どもの適応能力の高さゆえのこと、としてありのままを受け止める以外にないのです。
英語を勉強する熱意が親も子も薄れていく
帰国直後から1年くらいは、親もなんとか英語を維持させようと、あれこれがんばります。
帰国子女向けの英語保持教室に通わせたり、インターナショナルスクール主催のサマースクールに行かせたり、できる限りのことをするでしょう。
しかしほとんどの子どもは、帰国したその日から「英語」に対する熱意が失せていきます。
英語保持教室に「帰国子女」として始めは入っても、3年もすればどんどん新しい生徒が加わってきます。
帰国したての彼らと、帰国後3年経っている子どもでは、仮に年齢が同じだとしても英語力には大きな差がありますよね。
自分自身には「保持」すべき英語力はすでにないことを思い知らされ、帰国したての同年齢の子どもとの実力差に打ちのめされ、ただただ自尊心が傷ついていくだけです。
親の方も、帰国後は徐々に日本の教育事情に感化されていきます。塾や習い事に追われるうちに「英語にかける時間」が相対的に減っていくことを、受け入れざるをえなくなっていくのです。
確実に英語力を保持するには帰国前と同じ環境を用意するしかない
帰国後も「どうしても今のままの英語力を保持してほしい」のであれば、できることはひとつです。帰国前と同じ環境を作るしかありません。
家庭以外では目に入るもの、耳から入るもの、そのすべてを英語にして一日6時間以上英語だけで過ごすことができれば、英語力は保持できる可能性が高いです。
しかしそれは現実的ではありません。日本に帰国した以上、親せき・ご近所付き合いがあり、あらたな交友関係があり、街には日本語があふれています。
これらすべてを遮断して英語に固執することが、果たして子どものためになるのか、疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。
【結論】帰国子女が高い英語力を保つかどうかは本人次第
結論から言えば、帰国子女の英語力は結局「本人次第」です。
どれほど帰国直後に親が「英語力を保持させよう」と鼻息荒く取り組んだところで、長い目で見た「帰国子女の英語力」は本人の意志と行動によって決まるのです。
ここで一般的な帰国子女の本音を見ていきます。あくまで私自身や周りの人の経験談なので、「必ず全員こうなる」というわけではありませんが、参考程度に読んでいただければと思います。
【帰国直後~半年】「英語ができる自分」に対する周囲の反応に戸惑う
祖父母や親せきなど、身近な大人からは「英語が話せるなんてすごい」と持ち上げられます。大人世代は英語で苦労した人が多いので、なおさらかもしれません。
学校に行けば「英語を話してみて」と言われるでしょう(これは当人にしてみれば非常に嫌なお願いなのですが…)。
学年によっては英語の授業があるかもしれませんし、クラスメートのなかには、英語塾に幼少期から通っている子もいるはずです。
その子たちが得意げに披露する英語の拙さに、驚くでしょう。正直、英語を話しているようには聞こえないからです。
英語を話す、というこれまであたりまえにしてきたことが、現在自分が置かれている環境では「あたりまえではない」という現実に戸惑いをおぼえる時期です。
【帰国後1年~】「自分の英語力の衰え」を自覚して焦る
きっかけはさまざまですが、帰国後1年もすると自分の英語力の衰えを自覚します。
- 現地の友人と電話で話そうと思っても、言葉がでてこない。
- 手紙を書こうと思っても、何も浮かばない。
- 昔読んでいた本を読もうと思ったら、つかえてしまってスムーズに読めない。
このようなことで「あれ?英語がうまく使えない」とまず本人が気づきます。
この時点で「英語力が衰えている」という現実を受け入れ「何か対策をしよう!」と思う子どもは、稀でしょう。
むしろほとんどの子どもが、英語力の衰えを隠そうとします。なぜなら自分の英語力の衰えは周囲、特に親を「がっかりさせる」ことを、直感的に感じ取っているからです。
【帰国後数十年】英語を生かしている人とそうでない人に分かれる
元・帰国子女たちは、大人になり英語を生かしている人と、生かしていない人とに分かれます。それは能力や優劣の問題ではまったくなく、自分自身の選択の結果から生じる違いに過ぎません。
ただ、大人になって英語力を生かしている人には共通点があります。それは学生時代または社会人になってから、どこかのタイミングで集中的に英語を勉強し直している点です。
かつて「帰国子女」と呼ばれたときの英語力を元にしつつ、今の自分に足りないものを自覚し、英語力を再構築していった経験を必ず持っています。
対して英語力を生かしていない人の多くは、そもそも英語力に執着がそれほどありません。
漠然と「英語が話せる方が得かもしれない」「子どものときは英語が話せたのに」という思いはあっても、自身の英語力と向き合い、強みを伸ばして弱みをつぶそうとはしてこなかった人たちです。
それは当人や周囲の大人の「努力不足」ということではまったくありません。英語力に執着する必要がなかった、興味関心がほかにあった、ただそれだけのことです。
このように帰国後数十年までの長い目で見た場合、英語力を生かすのか、ほかのスキルを磨くのかは、本人が決めて行動していくのです。
帰国子女を持つ親ができることは2つ
「帰国子女の英語力は本人次第」という現実を前に、親にできることは何もないのかと落胆されるかもしれません。
でも大丈夫です。親にできることもあります。子どもが自分で考えて行動できるようになるまで、成長に合わせて親がサポートするのも大事なことです。
1. 日々の生活で英語にふれる機会を長く、自然に持たせる
「英語力を保持してほしい」と願う帰国子女の親がまずできるのは、英語にふれる機会を持たせ、子どもの英語に対する興味関心を維持させることです。
「そんなこと?」と思われるかもしれませんが、これは長い時間生活を共にする親にしかできない大切なことです。
年に1回だけ英語のサマースクールに通うよりも、毎日10分でも英語のラジオを流している方が、子どもにとっては英語を身近に感じられるはずです。
子どもの生活のなかに英語を自然に溶け込ませることは、教室で指導をするだけの英語講師にはできません。
押しつけにならないように、「いつもそこにあるもの」として子どもの生活に英語をなじませる工夫をしてみましょう。
2. 子どもの英語力を客観的に把握し具体的な目標を持たせる
大切なことは「現在の」子どもの英語力を把握することです。つい帰国前の英語力を基準にしてしまうかもしれませんが、それは無意味です。
右肩下がりの英語力を直視するのは辛いことですが、そのまま下がり続けることはあり得ません。学び続けていれば、必ず英語力は再び上がる日がきます。
そのために重要なのが、「現在の」子どもの英語力を正しく把握することなのです。
例えば「ケンブリッジ国際児童英検」や「TOEFL Primary」といった検定試験を定期的に受験し、実力を測るという方法もあります。(具体的な内容は後述しています。)
子どもの強み・弱みが把握できたら、あとは対策をしていくだけです。そして「次はいつまでにこの級を目指そう」という具体的な目標を、子どもと共有することが大切です。
帰国子女を持つ親のNG行動5つ
帰国子女としての立場、そして帰国子女の親としての立場、双方を経験した私なりに考える「親としての」NG行動をここで挙げてみます。
1.「発音が良い」を「英語ができる」と勘違いする
英語圏で英語を身につけた子どもは、日本国内だけで英語を勉強した子どもと比較すると、格段に発音が自然です。
しかし、なまじ発音が自然でネイティブに近いと「英語がネイティブレベル」という誤解に結び付きやすくなります。
発音が自然かどうか、は英語力とは関係ありません。語彙力、表現力、思考力、など多面的に子どもの英語力を把握するようにしましょう。英語力向上の対策が練りやすくなります。
2.「英語ができる」ことを称賛しすぎる
子どもは「英語ができる」と周囲からもてはやされ過ぎると、必要以上に優越感を他者に対して持ってしまいます。
英語ができる自分を特別視し過ぎると自信過剰になり、客観的に英語力を把握することもできなくなるのです。
これは放置すると取り返しがつかないレベルの英語力の低下を招きます。
子どもが英語ができるのは英語圏で生活していた以上、当然のことに過ぎません。
誇りに思うことは良いけれど、自分の能力を過信したり友達を見下したりすることがないように子も、親も、気を付ける必要があります。
3. 「英語力が落ちた」と過剰反応をする
帰国から時間が経てば経つほど言葉が不自由になっていく子どもを見るのは辛いものです。
つい「帰国前はもっと話せていたのに」と落胆してしまうのは親として当然ですが、子どもの前でその「がっかり」は見せないことが大切。
子どもは「大好きなママやパパを、自分ががっかりさせている」ということには、とても敏感です。
「親をがっかりさせたくない」という気持ちが、プラスの方向に向かえば良いのですが、小学生の場合はまだ幼く、「がんばりすぎて無理をする」「嘘をつく」「隠そうとする」といったマイナス面で影響がでやすいものです。
過去の英語力と比較することはなんの役にも立ちません。子どもの成長に合わせて、英語力も変化していくのは当然です。長い目で見守る鷹揚さを持ちましょう。
4.「英語力保持」にこだわりすぎる
親は子どもの英語力を「保持しなければ」と考えます。当然私も親の立場になったときに必死に考えました。
しかし、そもそも帰国前と環境が違う以上「保持」は不可能です。まずは親が、この現実を早々に受け入れる必要があります。
もっと言えば、小学生のレベルではそもそも「保持しなければ」と執着するほどの英語力ではありません。
しかし一方で、現地で英語を身につけた経験のある帰国子女には、帰国後何年経過しようとも、英語習得において大きなアドバンテージがあるのは紛れもない事実です。
それは言葉に対するイメージの深さ、発音の細かい聞き分けなど、本人さえも自覚していないところに確実に「ある」のです。
親は目先の「英語力保持」へのこだわりを捨て、「英語力向上」を意識しましょう。
今あるものを無くすまいと必死になるのではなく、今あるものを生かしてさらに高め、深めていくことにシフトすることが、長い目で見て子どもの英語力のためにプラスに働きます。
5. 将来的に目指すべき英語力を具体的に示さずプレッシャーだけかける
私自身が子どものとき、親から言われて嫌だった言葉があります。それは「英語をしっかりキープしないとね」というフレーズです。
「『しっかり』ってなに?」「『キープ』ってどうやって?」とモヤモヤしたことを、数十年経った今でも思い出します。
学校の英語の試験で満点を取ることなのか。
外国人と英語で会話をすることなのか。
字幕なしで洋画を観ることなのか。
何も具体的なことは示されないままに、ただ「英語力を維持せよ」という親からのプレッシャーを感じ、大変重苦しく感じたのです。
今考えるに親自身も、具体的に何を目指すべきなのか、がよくわかっていなかったのだと思います。
「英語力を維持してほしい」という親としての願いを、そのまま口にしてしまっただけだということは、同じ親の立場になった今、痛いほどよくわかります。
しかし具体的に目指すものを示さず、ただ「がんばれ」と言うだけでは子どもは戸惑うだけです。
「何歳までにはこの本が読めるくらい」「何歳ではこの検定試験に受かるくらい」と目指す姿を長期的に、そして具体的に示すのは親にできる大切なことです。
次の章では、ここまで紹介した「帰国子女の親ができること」と「NG行動」を踏まえて、具体的に帰国子女が英語力を維持するためにやるべきことを、詳しく紹介します。
帰国子女が英語力を維持するためにやるべきこと年齢別一覧
まずお子さんの年齢別に、やるべきことをまとめました。
年齢別英語維持のためにやるべきこと
年齢 | 英語力維持のためにできること |
---|---|
~幼児 | ・インターナショナルスクール・プリスクールに通う ・家庭教師 ・英語教材を使った遊び ・英語のコンテンツ(映画・アニメなど)にふれる |
小学生(低学年) | ・英語保持教室に通う ・英語の読み書きの比重を高める ・英語のコンテンツ(映画・アニメなど)にふれる |
小学生(高学年) | ・英語保持教室に通う ・英語の語彙/表現を増やしていく ・英語のコンテンツ(本や記事など)にふれる |
中学生以上 | ・英語で英語を学ぶ英語塾に通う ・日本語で英語を学ぶことを受け入れる ・英語のコンテンツ(本や記事など)にふれる |
帰国後も子どもの英語力を維持させたいと願う場合、ゴールをどこに置くかで対策方法は大きく変わります。
1年以内に再び英語圏に行く可能性が高いケース
インターナショナルスクールなどに通うのが、最善策となるでしょう。
インターではなく、地域の小学校に通う場合は、放課後の時間すべてを英語学習に費やすくらいの覚悟が必要です。
確実に英語圏に再び行くことがわかっている場合は、年齢に応じた「英語力の維持・向上」が最優先です。
この場合は「英語を忘れなければよい」「英語を楽しむ」といった生ぬるいものではありません。
再渡航後クラスメートと対等に渡り合えるために、英語で理解し、考えをまとめ、表現する力を徹底的に鍛える必要があります。
渡航予定はないが将来的に国内進学を有利にさせたいケース
差し迫った渡航予定はないものの、せっかく身につけた英語力を将来的に進学や就職で生かしてほしいと願う場合。全体として見れば、このケースが大半でしょう。
英語力の維持のためには、親が長期的な視野を持ち、時間をかけて取り組む必要があります。
未就学児であれば「英語を嫌いにさせない」「英語を楽しいと思わせる」ことが大事ですが、学齢期であれば「楽しい」だけではなく「英語を学ぶ」「英語で学ぶ」比重も高めていかなければなりません。
また中学生以上になると、多くの学校では英文法の学習が始まります。英文法は、小学生で帰国した子どもの多くがぶつかる壁のひとつです。
帰国子女特有の「英語で英語を理解する感覚」を保ちつつも、学校の「日本語で英語を理解する」やり方も受け入れていかなければなりません。
「発音が良い」「リスニング力が高い」といった帰国子女のメリットは生かしつつ、足りていない分野を客観的に判断し、努力を重ねていけば英語力はより高いものとなります。
現状として、日本の一般的な幼稚園や学校で学ぶ内容だけでは、帰国子女が英語力を維持するのは難しいです。場合によっては、帰国子女向けのスクールに通うことも検討するとよいかもしれません。
日本にある帰国子女の英語力を維持するためのスクール
帰国子女の英語力維持に効果が期待できる、各種スクールを紹介していきます。
子どもの年齢や、帰国してからの年数などによっても、合うスクールは異なります。状況に合わせて、臨機応変に選ぶようにしましょう。
インターナショナルスクール・プリスクール(幼児)
一般的にインターナショナルスクールとは、主に英語によって授業が行われ、外国人児童・生徒を対象とする教育施設です。
日本国内では法令上の規定がなく、学校教育法第1条に規定する「学校」、同第134条に規定する「各種学校」として認められたものもありますが、そのいずれでもない無認可の施設も存在します。
帰国前と環境を変えないことを重視する場合、英語で学校生活を送れるインターナショナルスクールや、併設する幼児向けのプリスクールなどが選択肢に入ります。
しかし前述のとおり、日本の学校制度に組み込まれていない施設がある点は留意すべきです。
理由としては、日本国内での転校や進学が施設によってはスムーズにいかないこともあるからです。卒業後の進路も含めて、事前によく検討しましょう。
JOESの帰国子女向け外国語保持教室(未就学生~高校生)
JOESの帰国子女向け外国語保持教室は、海外子女教育振興財団(Japan Overseas Educational Service)が運営する外国語保持教室です。
開設は1974年と長い歴史を誇り、帰国子女向け英語教室の草分け的存在です。実は私自身も子どものころ4年近く通いました。
当時も今と変わらず週1回の通学型レッスンで、現地校の教科書を用いながら同年代の子どもたちとネイティブ講師の授業を受けていました。
夏休みなどは1週間程度の集中クラスがあり、普段は違う校舎に通っている子どもたちとも友達になり、とても楽しかった記憶があります。
帰国直後から3年程度は、現地校の雰囲気を保ったこのような「保持教室」の役割は大きいです。同じ経験を持つ仲間とのつながりも、英語学習のモチベーションにつながるでしょう。
しかし、いつまでも「保持」という視点では、英語力は伸びません。また、「帰国子女」といっても、帰国直後の子と、帰国後3年経っている子では英語力は大きく違います。
私自身も、次第に同年代の子との英語力の差に苦しむようになり、帰国後4年で保持教室の限界を感じて退会しました。
私の経験から言えば、英語保持教室は、帰国直後から数年程度通うものであり、決して長年通うものではないと考えています。「英語力保持」から「英語力向上」へと、上手にシフトしていきましょう。
JOESは海外進出をしている日本企業が協賛している団体で、海外で生活をし、そして日本に帰国する子どもたちの教育全般をサポートしています。渡航前、渡航後、帰国後などそれぞれのステージに合わせた情報提供もホームページ上で行っているので、教室には通わなくても一見の価値がありますよ。
帰国子女の受け入れ態勢が整った小学校・中学校
日本国内の小・中学校のなかには、帰国子女の受け入れを積極的に行っている学校があります。似た境遇の子どもが集まるので、異端視されずにすみ、子どもにとっては居心地の良い場所となるでしょう。
しかし一言で帰国子女の受け入れといっても、海外生活が長く、日本語が不自由な生徒に対する配慮をする学校もあれば、帰国生だけのクラス編成を行い英語だけで授業を行う学校もあり、受け入れ態勢は学校によって大きく違います。
また受け入れ対象となるには「帰国後何年以内」という厳密な規定が設けられている学校がほとんどです。
自分の子どもが対象となるのか、入学後の学校生活はどのようなものになるのか、事前の検討が必要です。
英語教育に力を入れた小学校・中学校
帰国子女という枠ではなく、一般生徒として英語教育に特化した小・中学校を選ぶこともできます。
学校によっては国際バカロレアの認定校であることも多く、卒業後の進路も国内から海外まで選択肢を増やすことが可能です。
※ 国際バカロレアとは、スイス発の非営利組織、国際バカロレア機構(IBO)が認定した教育プログラム。なかでも、16歳~19歳に受けられる「ディプロマ」のプログラムを履修し、国際バカロレア資格を取得できれば、世界の大学への入学が有利になるなどのアドバンテージがある。2024年7月現在、日本の国際バカロレア認定校は115校(IBO公式サイト)。
英語学童(小学生)
英語学童とは、小学生が放課後を過ごす学童保育を英語で行うサービスです。
スタッフはバイリンガルで、通う小学校までの送迎サービスがあったり英語のレッスンが受けられたりするため、「英語にふれる時間」を少しでも増やしたい、という方にはおすすめのスクールと言えます。
しかし通う子どもの大半が日本人のため、子ども同士のコミュニケーションはほぼ日本語です。
私の本音を言えば、英語学童に通わせて英語力向上を期待するのは少々無理があると思います。
英会話教室・オンライン英会話の帰国子女コース
英会話教室のなかには「帰国子女向け」というコースが用意されているところもあります。最近は帰国子女向けのオンライン英会話も充実しているんです。
実際に私も、娘を英会話教室に通わせて英語力維持を図りました。そこで、娘を通わせる教室を選ぶ際に、私が重視したポイントを紹介します。
帰国子女向け英語教室・コースを選ぶポイント3つ
英語力チェックに時間をかけ、正確に実力を判定してくれるか
「帰国子女」といっても、その英語力は子どもによってバラバラです。
何歳だから、何年海外生活をしていたから、ではなく、その子ども本人が「今」持つ英語力を、「読む」「聞く」「話す」「書く」すべてのエリアで正確に判定してくれる教室にこだわりました。
子どもにとって、すでに知っていることや発達段階に合わないことを授業で繰り返すのは退屈です。逆に知らないことばかりでは自信を失ってしまいます。
どちらも英語に対する興味を大きく削ぐ原因になります。
子どもの英語力を正しく判定し、その力に合ったレッスンをしてくれる教室選びはとても重要です。
年齢に応じて読み書きの比重を高めているか
帰国子女向けの英会話教室というとスピーキング偏重のところもありますが、私は読み書きを重視している教室を探しました。
スピーキングは、発音が自然な帰国子女にとっては得意分野とも言えます。しかし「話す」には、話す内容を充実させなければなりません。
スピーキング偏重のレッスンでは、いずれ話す内容が薄くなることは明らかです。
年齢に応じてしっかりと英語のインプット、つまり「読む」ことを指導してくれるかを最重要視し、加えてアウトプットの「書く」訓練を積ませてくれる教室を選びました。
相談に乗ってくれるスタッフがいるか
帰国子女の英語学習は長期戦な上に、個々の事情が異なるためリアルタイムでの相談相手が少なくなりがちです。
たとえ同じ国から同時期に帰国していたとしても、現地での生活スタイル、帰国後の進路、子どもの性別、などが異なれば目指すものや、抱える悩みも異なっていきます。
経験者の話も、数年経てば状況が変わっていることも多く、最新の情報ばかりとは言えません。
その点、多くの帰国生を見てきた経験がありつつ「今」の情報も持っている英会話教室のスタッフは心強い味方になります。
娘が通った教室では、ご自身も帰国子女の親という立場のスタッフがいて、頻繁に学習相談に乗ってもらえたことは大きな支えでした。
帰国子女向けコースがあるオンライン英会話
自宅から受講できるオンラインレッスンは、気軽に受講できるのがメリットです。また、通学型と違い送迎の負担がないのも、親目線ではありがたい点と言えます。
無料体験レッスンなどを積極的に利用して、子どもと相性が良いスクールを探しましょう。
スマートキッズイングリッシュ(小学生~高校生)
オンライン英会話のスマートキッズイングリッシュは、帰国子女向けのオンライン英会話です。小学生から高校生までを対象とした個別レッスンを行っています。
海外プレスクールに通っていたお子さん対象のスタンダードコースでは、ネイティブ講師またはバイリンガル講師が1対1でレッスンを行います。担任制で同じ先生がずっと子どもの学習をサポートしてくれるのも嬉しいポイントですね。
海外の現地校に3年以上通ったお子さんで、小学校4年生以上の方はアドバンスコースでの受講が可能。アメリカ現地校のようなレッスンが受講でき、エッセイ添削や文法の強化にも対応しています。
またTOEFLやIELTSといった検定試験の対策や、ライティングの指導も可能です。
「一般的なオンライン英会話だとレベルが合わないのでは?」と心配している方は、ぜひ一度お子さんに30分の無料体験を受講させてみてください。
公式サイトでは、レッスンの様子がわかる動画を見ることができますよ!
スマートキッズイングリッシュの基本情報
対象年齢 | 小学生~高校生 |
---|---|
料金プラン | ■オンラインレッスン授業料(月額) ・月4回 26,400円 ・月8回 51,480円 ・月12回 76,560円 ■入会金 11,000円 ■教材費(月額) 1,650円 ※スタンダードコースのみ ■スマキッズ会費(月額) 1,100円 ■オプション(要問合せ) ・コーチング ・英検対策 |
レッスン時間帯 | 要相談 |
1レッスンあたりの受講時間 | 50分 |
レッスンの予約 | 曜日・時間固定 |
レッスンシステム | Zoom |
教材 | 帰国子女向けデジタルコンテンツやテキスト教材、英検、TOEFL、IELTS、フォニックス |
講師 | ネイティブ講師、バイリンガル講師 |
その他サービス | ・入会特典としてレッスン1回無料 ・毎回レッスン後にレポートが送られてくる |
注意点 | 英検対策はオプションコースなので、英語対策のみの受講は不可 |
体験レッスン | 30分のレッスン1回無料 |
※ 料金はすべて税込みです。
ベルリッツ(小3~高校生)
大手英会話学校のベルリッツには学生向けのオンラインレッスンコースがあり、帰国子女の指導も行っています。
留学希望、英検対策、などこちらのニーズに合わせてカリキュラムを組んでもらえるのは個別レッスンならでは。
ベルリッツは4歳から大人までずっと学べるカリキュラムを用意しているので、長く学習を続けるのであれば、ベルリッツが非常におすすめです。(1対1のオンラインレッスンは小3から受講可能)
短期集中プランや割引キャンペーンなど随時お得な情報もアップされているので、まずは無料体験レッスンで様子をみてみるのも良いでしょう。
ベルリッツ(オンラインレッスン)の基本情報
対象年齢 | 小3~大人 |
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料金プラン | ・小学3~6年生 月額18,480円(週1回) ・中高生 月額18,480円(週1回) ・大人 月額19,800円~ ※入会金・教材費別途 |
レッスン時間帯 | 要相談 |
1レッスンあたりの受講時間 | 50分 |
レッスンの予約 | 要予約 |
レッスンシステム | Skype不要独自のレッスンシステム |
教材 | Phonics Jump、ナショナル・ジオグラフィック、JHSなど |
講師 | 外国人講師 |
その他サービス | 一人ひとりの実力と目標に沿った独自カリキュラムを提案 |
注意点 | 小学2年生以下は対面レッスンのみ対応 |
体験レッスン | 無料カウンセリング(30分) レベルチェックと無料レッスン(30~40分) |
※ 料金はすべて税込みです。
- 最大3レベル分の教材費0円(最大52,800円相当)
- 自己学習+マンツーマンレッスン9,900円割引
- 80レッスンの特別プラン
キャンペーン期間:11月30日(土)まで
スクール以外で帰国子女の英語力を維持する方法・活動
英語の環境づくりができるのは、学校だけではありません。
学校や塾に通う以外で、帰国子女の英語力を維持する方法を紹介します。
英語の家庭教師をつける
帰国子女の英語力は個人差が大きく、よほど同じ英語力ではない限り集団授業には向きません。
講師と1対1で、子どもの実力に合ったレッスンを受けられるのは家庭教師の大きなメリットです。
小学生まではネイティブ講師で良いですが、中学生以上の場合は、学校での英文法に躓きやすい時期なので、日本語・英語どちらででも英文法を解説できるバイリンガル講師をおすすめします。
英語の資格試験を定期的に受験する
英語力を高めていくには、まずは実力の現状把握と目標の設定が重要です。そこで活用したいのが、英語関連の各種検定試験。
帰国子女におすすめするのはケンブリッジ国際児童英検とTOEFL Primaryの2つです。
ケンブリッジ国際児童英検はイギリス、TOEFL Primaryはアメリカで開発された児童向けの英語能力判定テストで、設問もすべて英語で書かれています。
こうした検定試験を「いつまでにこの級に受かる」と目標にして学習していくことで、確実に英語力は向上していきます。
日本の英検は、帰国子女の英語力を測る目的で受けるのであれば、あまり意味がありません。英語力を正確に測定できないからです。
とはいえ、準1級・1級を取得していると国内での進学の際、優遇措置が受けられる中高や大学が増えています。過去問を見て「これなら楽に受かりそうだ」と判断できたら、チャレンジしてみましょう。(英語の資格一覧)
サマーキャンプに参加する
英会話教室やインターナショナルスクールでは、夏休みなど学校の長期休暇中に1週間以上の長期キャンプを開催することがあります。
泊りがけであったり、通学型であったり、施設や参加者の年齢によってスタイルはさまざまです。
現地校の懐かしい雰囲気と、いつもより長時間英語に浸れる良い機会になるでしょう。
帰国生用のクラスがあるのか、日本語使用NGのルールがあるのか、といった点をチェックした上で申し込みましょう。
留学をする(また海外に戻る)
学校の長期休みに合わせて海外のサマースクールなどに参加する短期のものであれば、日本に拠点を置いたまま海外に戻ることができます。
定期的に参加できると、英語力向上には大きくプラスになるはずです。
【経験談】わが家で実践した英語力キープのための自宅での勉強法
帰国子女の英語力を維持する方法として、ここまでスクールや英語講師など「プロ」におまかせするやり方をご紹介してきました。
ここでは、子どもが多くの時間を過ごす「家庭」ではどのような勉強への取り組みができるのか、を紹介します。
娘を連れて日本に帰国した際、多くの方と同じように「英語を維持させたい」と私も思いました。まさに試行錯誤の繰り返しで、思いつくままにあれこれやってみたのです。
結論を言いますと、わが家で上手くいったのは1つだけで、あとは完全に失敗でした。
ただし、ご家庭や子どもの性格などによって効果の有無は異なります。ここに挙げた勉強法がNGというわけではなく、わが家では失敗した策も、もしかしたらやり方次第では、絶大な効果がでるかもしれません。
あくまで一例として読んでいただければ幸いです。
家庭で日常的に英語で会話をする
夫が「週末だけパパと英語で話そう」とチャレンジしましたが、娘が泣いて嫌がり、大失敗でした。
子どもにしてみれば、日本で日本語を話すパパと、英語で話さなければならない、という不自然な状況が納得できなかったようです。
親のどちらかが英語ネイティブで、「パパまたはママとは常に英語で話す」とルール化でもしない限り、子どもが親と英語で話す必然性を感じられず、続きません。
また兄弟がいる場合、帰国直後は兄弟同士で英語で会話をしているのが普通でも、半年以内にはしなくなります。
そもそも大した話もしていないので、「兄弟で英語で話しなさい」と強要するのもまったく無意味なのでおすすめできません。
海外の友達とチャットや電話で会話をする
楽しく会話ができるのは、帰国後半年までです。それ以降は気まずい沈黙だけが流れ、隣で親が愛想笑いをして時間だけが過ぎます。
英語力も関係しますが、幼い子どもの場合、日常的に顔を合わせない人間、共通の体験がない人間と会話ができるほどコミュニケーションスキルは高くありません。
話題を回してコーディネーター的な役割を果たせる大人がいればまだしも、未熟な子ども同士では話が弾まず、関係性は自然消滅していきます。
海外でも使われるテキストや教材で勉強する
私自身も英語指導者の資格を取得し、娘の通う小学校で担任の先生に相談の上、1学年先までの学習指導要綱にそってテキストや教材を帰国前に買い込みました。
できる限りの準備をして娘の勉強をサポートしようとしたのです。自分のことながら、鼻息が荒すぎますね。
帰国後は毎日20分程度、テキストを用いて音読や書き取りをさせました。帰国後半年くらいは続いたでしょうか。
結局、英語に対する拒否反応の兆候が娘に見られたため、このままでは本末転倒と思い至り、断念しました。
自宅で、日常生活に関係のない勉強を継続するには、よほど高い意識が親・子ども双方にないと不可能だと思い知りました。
「ママに英語プッシュされるの嫌なの…。」と涙ながらに訴えた、幼い娘の顔を思い出すと今でも胸が痛みます。
本や映画、テレビなど娯楽でも英語にふれる
わが家で唯一、上手くいったことかもしれません。娘は元々ドラマやコメディが大好きで、楽しんでこれらのコンテンツを観ていました。
帰国後数年が経っても、アメリカのコメディドラマにはまりDVDを全エピソード揃えたがったり、暇さえあれば1日中映画を観ていたり、ということもよくあります。
残念ながら「読む」ことは日本語でもあまり好きではないようで、もっぱら「観る」専門ですが英語のインプットとして役に立っているようです。
「これを見なさい」「読みなさい」と親が押しつけるのでなく、本人が喜ぶもの・楽しめるものが見つかれば、英語力保持の効果は絶大だと実感しています。
本人の好みに合わせているので、内容が偏ってしまうのはある程度は大目に見るようにしています。
帰国子女の英語力保持に関するよくある質問
- 幼児や小学校低学年で帰国した子どもは、インターナショナルスクールに通わないと英語力維持は難しいでしょうか。
- インターナショナルスクールに通えば英語力は維持できます。しかし通わなければ英語力が維持できない、ということもありません。
まずは子どもに読み書きの素地がどれほどあるかによります。自力で絵本が読める、簡単な日記を書ける、という子は会話偏重の子どもよりも英語力を維持しやすくなります。
会話偏重の子は、そのままでは会話の機会が減るにつれ英語が話せなくなります。長い目で見て英語力を維持してほしいのであれば、年齢に応じて読み書き重視にシフトしていくことを考えましょう。 - 子どもは0歳から15歳までアメリカで育ちました。英語はまったく問題ないのですが、それでも帰国後の対策は必要でしょうか。
- 生まれて15年扱ってきた言語を、今後の生活で忘れてしまうことはあり得ないでしょう。
しかしこの先、英語とまったく触れない生活になると15歳のままで英語力が止まってしまうことになります。
本人の成長とともに、英語力をより成熟させるためには意識的に読書をさせるなど、年相応の言語運用能力を持てるようサポートできると良いのではないでしょうか。 - 子どもには英語力を維持してほしいですが、きちんと日本語も話せるようになってほしいです。両立するにはどうするのがベストでしょうか
- まず重要なのは英語と日本語、どちらに重きを置くのかをはっきりと親が決めることです。
すぐにまた海外に出ることが分かっているのであれば、英語重視。しばらく日本にいる予定であれば、まずは日本語のキャッチアップが急務です。
現地で生活している子どもと比較すると、どうしても語彙力が限られてしまうのは、バイリンガル環境にある以上避けられません。日本にいられる時間は、しっかり日本語力を年相応に引き上げましょう。(バイリンガル教育の方法)
英語力・日本語力ともに出来・不出来に一喜一憂して良いことは一つもありません。特に英語力は目先の成果ではなく、3年単位くらいの具体的な中期目標(何年生までに検定何級、など)をたてながらじっくり時間をかけて上げていくことが大切です。 - 現在海外で暮らし、数ヶ月後に帰国予定です。日本に帰国する前に、子どもの英語力維持のためにしておいた方がいいことはありますか?
- 自身が子どもにしたことで、帰国前にやっておいてよかったのは「読み書きの素地を作る」ことです。子どもの発達段階にもよりますが、一冊でも多くの本を在外中に読み、日記でも作文でも自分で書かせることが大切です。
もうひとつは、お気に入りの映画やアニメはDVDで購入しておくことをおすすめします。日本でも手に入るものも多いですが、日本版の難点は「日本語切り替えができてしまう」ことです。現地で購入したものであれば「これは向こうで買ったものだから、全部英語で書いてある」ということを子どもも納得できます。しかし、日本で手に入れたもので、日本語吹き替えなどがあることに気づけば、遅かれ早かれ日本語で見たがるようになります。「英語でしか見られない楽しいもの」は子どもの英語へのモチベーションを高めてくれるはずです。ただし、規格の違いがあると日本製の機器では再生できないことも。わが家では一部のものはPCで再生していますが、念のためご注意ください。
ひと昔前の話をすると、かつては「たくさん現地で本を買っておくこと」と言われていました。英語の書籍は日本から購入すると大変高額になるからです。しかしリアルな実情を明かせば、半年もすれば子どもは英語の本など見向きもしなくなり、一度も開かないままの洋書が部屋に山積み、というのも帰国子女のお宅ではよくあることです。恥ずかしながら、わが家もそうでした。また今では電子書籍も一般的になってきたので、それほど「本を買う」ことに執着する必要はないでしょう。
【まとめ】帰国子女の英語力維持は本人次第!親は長い目で見て支えていこう
この記事では、英語圏からの帰国子女の英語力保持についてお伝えしてきました。
結局は「英語力」というスキルを磨くか、ほかのことを磨くか、は帰国子女本人が決めて行動していくものです。
親だけが「英語力を保持しなければ」と帰国直後に必死になったところで、本人にその意志がなければ英語力は上がらないどころか、いずれきれいに忘れ去られてしまうでしょう。
子どもは成長していくものです。それは心や体だけでなく、言語能力も含めてこれから大きく飛躍していく、ということです。
親としては目先の変化に囚われすぎず、長い目で見てサポートをしていきたいものですね。